映画・テレビ

今年も西島秀俊さん

~(衝撃!)『ブリスフリー・ユアーズ』トークショー~

もうじき東京フィルメックスですよ~!!

ラインナップ的には東京国際映画祭より断然こちらの方が良い!どれもこれも見たくて衝動退職(そんな熟語ありません)したくなります。今年は中国政府から“追放”状態のロウ・イエ監督が審査員というのも個人的には非常に楽しみです。接近したいです(←誰か止めて)。

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昨年に引き続き、今年もデイリーニュースの取材・記事作成をお手伝いさせていただくことになりました。

で、早速先週末の10月31日。シネマート六本木で行われたプレイベントの俳優・西島秀俊さんのトークショーを取材してきました!

詳しくは公式サイトの「デイリーニュース」から⇒ http://filmex.net/mt/dailynews_2009/

実は昨年も西島さんのトークイベント、立候補して取材してるんですね~。コチラ

きっと映画祭事務局の人に「あの人、西島秀俊のファンなんだ・・・」って思われてるだろうなあ(汗。今年はほんと、偶然ちょうど空いてる日が当たっただけなんだけど・・・。

しかししかし、西島さんって非常にナチュラルで脱力系(?)の方なんですが、さりげない受け答えに気が利いていて、頭の切れる人だとお見受けしました。

ところで。このトークショーは第3回(02年)のフィルメックスで最優秀作品賞を受賞したタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督作『ブリスフリー・ユアーズ』上映後にあったんですが、こんれが凄い映画なのっ(おすぎさん風でお願い)。ストーリーは説明不能。タイとミャンマーの国境近くにある森の中が主な舞台なのですが、なかなかの衝・撃・映・像です。乙女(←誰や)の口からは言えません。でも何かが良いのです。摩訶不思議。癖になりそう。

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『南京!南京!』リベンジ、成る

~しつこい~

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『南京!南京!』最後まで見終わりました~(感涙sweat02。すのじさん&開発区でDVD物色してくだすったジミーちゃんさん、ありがとうございます!非常感謝。この感激は映画によるものか、「おあずけ」状態が長かったからかは、もはや分かりませんっ。

でも大変見応えのある作品だったことは確かです。ほんま、東京国際映画祭も『永遠の天』をコンペ部門に入れてる場合とちゃいまっせ(お好きな方にはゴメンなさい)。

陸川監督は、『ココシリ』でも無人自然保護地域を舞台に密猟者と民間パトロール隊の追走劇を綿密な準備のもと非常にリアルに描いていましたが、採算とか収益とかあんまり考えない人なんでしょうか??『南京!南京!』も完成までに4年もかけてます。日本人の自分から見て、少なくとも過去に中国で作られたこの手の映画と比べて客観的に(というか、むしろ日本人目線)、周到に研究した上で撮られたことがよく分かり、ゆえに中国国内では「日本人寄り」だと批難する声があったというのも頷けます。監督に「殺害予告」まで届いたそうなので、まったくアブナイ橋を渡ったもんです。

とはいえ、非常に完成度は高いと思います。ほんとに日本で公開されるのかな??いろいろ議論は起こると思いますが、ぜひ公開して欲しいです。まずは考えることから、相互理解は始まりますから。

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忘れてた!『永遠の天』from東京国際映画祭

そうだったそうだった。東京国際映画祭で中国映画も見たのだった。

コンペティション部門に出品されていた『永遠の天』。やはり巴里映画さんのブログに感想ほか、雑感を書かせていただきました。忘れてた忘れてた。

こちら⇒http://pariseiga.blog46.fc2.com/blog-entry-103.html

もともとテレビドラマを撮ってた女性監督の作品で、まさに「テレビ」っぽい。正直「う~ん・・・」という感じ。でも、レスリー・チャンのファンには嬉しい演出が随所に施されているので、ファンの方はぐっときたと思います。原題は『天長地久』。本国上映はあるかなあ?

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『タレンタイム』from東京国際映画祭

東京国際映画祭にて、今年7月25日に亡くなったマレーシアの女性監督ヤスミン・アフマドさんの追悼特別上映が行われました。素晴らしいです。もっと前に知っときゃよかった。

遺作となった『タレンタイム』の感想を、巴里映画のブログに書いてます。

こちら⇒http://pariseiga.blog46.fc2.com/

ちなみにヤスミン監督は、母方のお婆様が日本人だったそうで、次回作としてそのルーツをたどるラブストーリー『Wasurenagusa』の準備に取りかかってらしたそう。残念です。

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『ダーク・ハウス/暗い家』from東京国際映画祭

巴里映画さんの公式ブログに原稿を書かせていただきました。

こちら⇒シネマ・エステサロン http://pariseiga.blog46.fc2.com/

ハンドルネームは「ぱんだ」で。(またか)

実は『ダーク・ハウス/暗い家』、中盤うつらうつらしてたんですが、そのへんは内緒で。

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『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』

~この女。強く、美しく、そしてコワイぞ~

自分にはちょっと理解できないのですが、いわゆる「ダメ男」好き女性のあなた!ちょっとこの映画見て感想聞かせてよね(←誰だかお分かりね?)。

太宰治の短編小説「ヴィヨンの妻」(この小説もオススメ)をベースに、さまざまな小品のエッセンスも盛り込んで練り上げたストーリーだという『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』。いや~、これまで特別美人だとも思わなかったけど、松たか子がべっぴんやね!やっぱ和装が色っぽくてええですわ。(←オヤジ化劇的進行中)

妻と息子をほっぽって、いつもツケで飲み歩き、終いに盗みまで働くダメ亭主。才能があって売れっ子小説家ではあるんだけど、外に女が何人もいる仕様がないダメ夫。挙句、女と心中まで図るが、結局死ねないダメ男。そんな太宰自身がモデルとも言える「ダメ」のオンパレード男を深~い愛で許し、受け入れる妻・佐知(松さん)が主人公です。この妻、あっぱれです。でも、「できた嫁はん」というより、「この女、一体いくつの顔を持っているの?」と思わさせて恐ろしい・・・。

とても素直で貞淑な女ではあるのですが、“自分の女としての価値”もちゃんと心得ていて、その使い方も知っている。亭主のセリフに「俺は佐知が一番怖い」という一言が出てくるのですが、この賢い女に秘められたブラックホールのような底の見えない“深み”みたいなものを示唆しているような気がします。

一方、私が上から見ても下から見ても横から見ても好きになれない広末涼子が亭主と一緒に心中を図る愛人を演じているのですが、複雑そうに見せておいて実はとても軽薄な印象を残すこの女の役によくはまっています(←褒め言葉)。

まあ、結局どっちの女もあんまりお手本にはしたくありません・・・。

ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~オリジナル・サウンドトラック Music ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~オリジナル・サウンドトラック

アーティスト:吉松隆
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『リミッツ・オブ・コントロール』

~なんですか?この既視感は~

ある孤独な黒人男性が、「自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ」という「?」な任務を与えられ、スペイン中を巡る摩訶不思議なロードムービー『リミッツ・オブ・コントロール』。ジム・ジャームッシュ監督4年ぶりの新作、というよりも、10代(だったのね~!)の時に同監督の『ミステリー・トレイン』でハリウッド映画デビューしていた工藤夕貴がまた出てます、って言った方が日本人的には興味をひかれるのでしょうか。

とにかく、ストーリーがあってないような映画です。次々と謎の人物が現れて、まるで無駄話のような意味不明の言葉とマッチ箱に入った暗号を残していく。それを頼りにひたすら任務遂行だけを目的に、出口の見えない海路をただ漂わされているかのように見える主人公。でも、彼自身は眠る・起きる・太極拳・カフェで2杯のエスプレッソを頼む・・・と完璧にコントロールできている。その二重構造が面白い。

あとやっぱり映像が素敵です。撮影監督クリストファー・ドイルならではの浮遊感。夢の中で見た風景のような懐かしい感じがするんですね~(※危険:映画の性質上、満腹時に見るとほんとに夢の中へってことになりかねないさ)

クリストファー・ドイルといえばウォン・カーワイ作品で有名ですが、個人的に『欲望の翼』と『ブエノスアイレス』以外あんまりこの監督の映画を面白いと思えず。でも、映像にひかれて全作見てしまってます。なんか気持ちよくさせてくれます。

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『南京!南京!』って・・・

実はとってもよく出来てる作品なんじゃないかい??

なんて中途半端な言い方をしているのは、わけあって半分しか見てないからなんですが。

あの南京大虐殺をテーマに、『ココシリ』の陸川監督がモノクロで撮った渾身(いや~、気の入れようが何か伝わってくるのよ)の一作。国際的にもなかなかの高評価を得ているみたいですが、その評判は伊達じゃないかもしれません。日本公開は来年らしいですが、また賛否両論、色々出てくるんだろうなあ~ε-( ̄ヘ ̄)┌ 。全編見たら感想どこかに書きます。

私個人としては、見ていて(といっても半分までね)日本人の描かれ方に腹は立たないし、中国側の配慮まで感じられる。逆に中国の方がどう感じたかが気になるところですが、興行成績は良かった模様。日中関係の「今」を感じますね。3年くらい前だったらダメだったかも。

ともかく、何とかして最後まで見ねば!・・・っていうのも、日本未公開の中国作品DVDは中国在住の「朋友」の方々のご協力等により、ワタクシの手元まで届けていただいているんですけど、規格が日本と違うのでPCでしか再生できないのです。その頼りのPCのDVDドライブが途中でぶっ壊れたので、ちょっと誰かんちへ押しかけねば(そしてもれなく一緒に見せる)と携帯のアドレスを繰る、そんな土曜の夜・・・。頭の中は『南京!南京!』でいっぱいよ。

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食欲の秋は“美味しい映画”へどうぞ!

横浜ベイエリアにて、今月16日(金)~11月1日(日)まで“スローフード”をテーマにしたイベントが開催されます。

内容はマーケットやピクニック、有名シェフが腕を振るうスペシャルディナーまで盛りだくさんなのですが(屋外でクサヤが楽しめる日もあったりする)、ひとまずここではスローフードの理念に合致した“食”をテーマにする映画祭「スローフード・オン・フィルム」をご紹介。

横浜に唯一残る老舗名画座「シネマ ジャック&ベティ」にて、17日(土)・18日(日)の2日間行われます。上映作は『かもめ食堂』や『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』など既に皆さんご覧になられた作品もあるかと思いますが、滅多やたらと上映されないようなドキュメンタリーなんかも見られちゃったりします。

詳細は公式HPをどうぞ。⇒http://slowfoodnippon.com/sfonfilm.html

スープや小松菜ケーキなど“スローなファストフード”販売やファーマーズマーケットも行うので、お時間ある方はぜひ!

また、先月は私、このイベントガイドを兼ねたスローフードPR誌の編集をお手伝いさせていただいておりました。どっかでみかけたら手にとって「ふーん」って思ってください。

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『グッド・バッド・ウィアード』

~美しき立ち姿よ~

なにやら悶々と、鬱々とした気分のときに大正解!『グッド・バッド・ウィアード』はそのキャッチフレーズ「ムチャクチャデイイノダ!」というとおり、頭スッカラカンにして楽しめる韓国オモシロ娯楽活劇(意味かぶってるって)ですっ。

満州の地で、日本軍が残したナゾの地図を巡り、賞金ハンター(良いヤツ)とギャング(悪いヤツ)とコソ泥(変なヤツ)たちが、その他大勢、民族入り乱れて争奪戦を繰り広げる何がなんやら分からないけど可笑しくて西部劇チックなアクション映画。

ここで言いたいのはですね~。日本ではひたすら「悪いヤツ」役のイ・ビョンホンがメディアで取り上げられるんですけど、賞金ハンター役のチョン・ウソンがカッコイイのです!ちなみに私は韓流スターにほとんど興味ありません。北京ではよくDVDを買ってみていたけど、帰国してから一部女性の熱狂ぶりを目の当たりにし、逆に「見るもんか!」と意固地になってた部分がありまして。でも、チョン・ウソンは『私の頭の中の消しゴム』の時から(っていうか、あの映画の無骨な役柄が)好きだったんですよね。

とにかく、立ち姿があんなに美しい俳優さんを久しぶりに見た気がします個人的にマッチョ過ぎるのはいただけないので、イ・ビョンホンの半裸シーン(あれ、サービスカットよね?)は不要なんですけど、チョン・ウソンはプロポーションといい筋肉のつき方といい、アジア人としては完璧の部類shineとホレボレしながら見てしまいました。きっと日頃の鍛錬の成果なのよね~。日本の役者さんにも頑張っていただきたいわっ(←何様)。

というわけで、しばし悶々とした気分を払拭し、現実世界から離れた夢を見させていただきました。……って、これ。いわゆる韓流スターにはまる奥様方と一緒じゃない!?う~ん、なるほどね~。

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『女の子ものがたり』

~武者求む~

とっても可愛らしいタイトルの『女の子ものがたり』。男ひとりで劇場に行ってご覧になったという方。いらっしゃいましたら、チケットを買う時の若干の緊張感と、映画の感想を聞かせてください。

非常にひじょうに見応えがあります。私はそのタイトルの可愛さに惹かれて見に行ったはずもなく。朝の「目○ましテレビ」を偶然見ていた時に、インタビューに訪ねていった元お天気お姉さんのウサギのような愛ちゃんに向かって、「あなた、やっとやりたい仕事ができるようになったんだから、どんな手を使ってでも手放しちゃダメよ」と凄んでいた原作者の西原理恵子さんに痛く感銘を受け、彼女の自叙伝的作品の映画化なら見に行かねば!と劇場へ馳せ参じた次第にございます。

スランプに陥った漫画家が、少女時代を回想するというストーリー展開なのですが、とりわけ高校時代が素晴らしいです。

子どもの頃の友達って、仲良しだけど「なんか嫌いッ」「この野郎」って思ってませんでした?(←私が性格悪いだけか?)けど、実は自分にとって唯一無二の存在であることに気がつくのは、ずっと大人になってからだったりする。そういうことを思い出させてくれる映画です。

また、西原さんってこんな風に、子どもの頃から自分や周囲を客観的に眺めていたから今があるのかしら、と考えさせられたりもします。とにかく、一見の価値アリ。

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『未来の食卓』公開記念イベント

8月8日封切のフランス発ドキュメンタリー映画『未来の食卓』の公開を記念して、“スロー・ライフ”をテーマにしたイベントが開催されます。新宿御苑の裏にある「ラミュゼdeケヤキ」にて、8月1日~2日の2日間。イベント概要はこちら

私も1日午後のスローフード東京ベイによる「子どもの味覚&料理教室」をお手伝いさせていただきます。こちらは“親子”が対象なので、私のまわりにはあまり該当者がおられませんが・・・っていうか、「おまえこそ『スローフード』にも『子ども』にも縁ないやろsign02」との突っ込みが入りそうですが。まま、そこは穏便に。でも、「食」って大切よ~。

我々、細胞のひとつひとつがタベモノでできてますから!(←自分に言ってる)

この食育イベントのほかにも、色々と催されますので、ご興味のある方はぜひ。

映画『未来の食卓』

世界有数の農業国であると同時に、多量の農薬使用も問題になっているというフランスで、小さな村が起こした環境問題への取り組みを追ったこの映画。今年3月のフランス映画際で上映されたとき、見逃してたんですよね。『いのちの食べかた』『ファーストフード・ネイション』『スーパーサイズ・ミー』などを非常に面白く見たので、公開が楽しみでしたrestaurant

映画『未来の食卓』

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『そして、私たちは愛に帰る』

~やっぱり教育がカギなんです~

やっとインターネットがつながりました~sign03これで空気の悪いネットカフェともおさらばですっ。

この度住処とする神楽坂には「美味しいパンが手に入る」「美味しいワインが手に入る」「美味しいチーズが手に入る」など、魅力がいっぱいありますが(←ぜんぶ食いモンかい)、飯田橋ギンレイホールにいつでも立ち寄れる点が、ワタクシ的には最大の魅力でございます。(新居はちょっと「家臭い(まさかカビ臭?)」けど、それでもよければ遊びに来てねん)

早速、年間パスを買って上映中の『そして、私たちは愛に帰る』を見てきました。これ、公開時に見逃していて、ずっと気になってたのですが、行ってよかった~crying。まあ、そこまで泣いてませんけど。とにかく親子関係や生と死、教育の大切さなど、とても普遍的なテーマを優しく扱って素晴らしかった。

ドイツとトルコを舞台に、3組の親子の衝突や別れ、再生が交錯します。監督がドイツ生まれのトルコ系移民二世だということで(しかも72年生まれと若い!こんな才能欲しいっす)、ドイツにおけるトルコ人コミュニティに対する差別等、もっと社会的な問題を前面に押し出した映画かと想像していたのですが、それ以上にヒューマンな作品でした。

親への愛、子への愛、故郷への愛、死に接することで感じられる生への愛、を感じさせる温かい作りに泣かされます。

物語の要ともいえるトルコ人の母と娘がいます。母はドイツで娼婦を、娘はトルコで反政府活動に身を投じていて、互いの状況は知らないすれ違いの親子。この2人が、異なるシュチュエーションでそれぞれ「悔い改めろ」と諭されるシーンがあるのですけど、観客からすると「まったくそんな必要なし!」って同情してしまう境遇なんですね。十分な教育を受けられなかったから、“そこに・そうして・居る”というだけ。世界中で無数に起こっている悲劇のうち、教育が普及することで無くなるものは相当な割合に上る、と信じて疑いません。

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『人生に乾杯!』

~これぞ笑いあり涙あり~

中国に7年も住んでいて、スリにも引ったくりにも恐喝にも遭ったことがない強運な私ですが、旅行で行ったハンガリーで、首都ブダペスト到着翌日にスリの現行犯&婦女暴行現場を鼻先30センチで目撃し、チ○チ○縮み上がる(失敬)思いをしたことがあります。EUに加盟してすぐだから04年だったかしら。ハンガリーの治安が悪い、と言いたいわけではありません。本気で移住を考えたくらい、人も文化も風土も(温泉も!)大好きな国だけに、貧富の差や、景気後退の予兆を感じてショックでした。

そんなハンガリー発のヒューマンドラマ『人生に乾杯!』は、「笑って泣けるとはまさにこういうこと!」と思わせてくれる作品です。

共産主義も今は昔。月4万フォリント(2万円弱)の年金だけじゃあとても暮らしていけない主人公の老夫婦は、公共料金の支払も滞り、電気も止められるような生活を強いられていました。そして、借金のかたに、妻が若い頃から宝物にしてきたダイアのイヤリングまで持っていかれたある日、81歳になる夫は“強盗”となる決意を胸に立ち上がるのです!(←腰痛もちだけど)

なんだろう、老夫婦版『テルマ&ルイーズ』?いいや、もっと温かくて優しいです。好きだわ~、こういう映画。それまですっかり冷え切っていた夫婦仲も、共犯者として逃亡する間にかつての熱さを取り戻していく様子が、彼らを追う若い警官カップルとのかかわりを交えて描かれていたりして、思わずホロッとさせられます。

東欧諸国の中でも、いち早く民主化に舵を取ったハンガリー。一時は「東欧の優等生」と呼ばれたほど著しい経済成長を遂げ、04年にはEU加盟も果たしましたが、近年はインフレと失業率の増加により、貧富の差が社会問題化していました。財政赤字にあえぐ政府は、それまで無料だった医療費の負担や増税など、国民に痛みを強いる緊縮政策を実施。この映画は、そんな社会の不満を見事に反映した作品でもあるのです。

昔旧ソ連軍の運転手として働いていた夫が、共産党の公用車だった“ソ連の置き土産”チャイカに乗って、銀行へ強盗するため乗りつけるなんて、イカした演出(?)じゃありませんか。

そんな共産主義時代を懐古する描写がたくさん登場する同作ですが、社会的メッセージが込められているからといって、身構えて見る必要は全然ナシ!あくまでハートウォーミング。ユルくて、おおらかで、可愛らしいハンガリーの雰囲気も楽しめる、おススメの一本です。

さすが、数多の芸術家を生み出した国だけあって、ハンガリー映画はなかなか粒ぞろいです。

最近では『反恋愛主義』にもまあまあ楽しませてもらったし、『君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956』はひと昔前のハリウッド大作のような作りで思わず興奮。しかし、なんといっても、昨年の東京フィルメックスで見た『デルタ』はストーリー、映像ともに強烈(日本未公開なのが残念!)でした。そうそう、1933年に発表されて“自殺ソング”と呼ばれた歌「暗い日曜日」の都市伝説を映画化した『暗い日曜日』もDVDで何度見たことか。これ、ヒロインのおっぱいがキレイなのよ・・・ああ、なんか書いてる人間が女かオッサンか分からんようになってきたね。なので、ここいらで強制終了。

またそのうち、温泉とワインを楽しみにビューンと飛んでいきたいですなぁ。(こんな締めですみません)

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赤ワインで有名なエゲルの町を丘の上から。

次もおまけ。ブダペストの地下鉄は、ドナウ川の下をくぐるため地中の深~いところを走っています。んなもんで、エスカレーターが異様に長いです。

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前にいるお婆ちゃん、危ないっ!

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『それでも恋するバルセロナ』

~美女に囲まれたハビたんがキュート~

久しぶりに劇場で声をたてて笑いましたよ、『それでも恋するバルセロナ』。

何をするにも慎重で婚約者もいるヴィッキーと、いつまでもフラフラ“自分探し”をしている恋愛体質のクリスティーナは親友同士。アメリカから、ひと夏を過ごすためにバルセロナにやって来て、女たらしで画家の色男(←ダメ男)にまんまと揃って熱を上げる。終いには男の元妻まで登場して、そら、どうするよ?という話なんですが・・・。

まず、色んな人が言うでしょうけど、キャスティングが贅沢!

ひょいっと色男の家に転がり込んじゃう尻軽、もとい、自由奔放なクリスティーナに役柄ドンピシャのスカーレット・ヨハンソン。激情的でコワイけど、とんでもなく魅力的な元妻にペネロペ・クルス。双方はまりすぎです。そして、両手に花どころか、“両腕に女神さまheart01状態の色男がハビエル・バルデムですよ。『ノーカントリー』(⇒ブログ内日記はこちら)では、こんなだったのに・・・↓Photo

おかっぱ

あの“おかっぱ頭の殺人鬼”姿が基準になると、ものすんごくセクシーでイイ男に見えるから不思議です。実生活でも問答無用の美女ペネロペとくっついちゃったし。

しかし、シニカルですね~、ウディ・アレン監督は。ひと夏の恋のドタバタを描きながら、アメリカ女2人の“着地点”は“出発点”と変わってないの。「好きじゃないモノは分かるけど、好きなモノは分からない」というクリスティーナは、どこまでいっても欲求不満でフラフラしてるし(分かる分かる)、慎重でプラン通りの人生を歩んでいるヴィッキーは、そんな自分でいいの?!って危うくイタい勘違い女になりかける(これも分かる、分かる)けど、結局変われないし。元妻はエキセントリック過ぎてもはや理解不能だし。そんな女の愚かな部分を、愛情込めて(?)軽やかな笑いに変えるという、これは並みのオッサン監督にはできない芸当です。

私的には、マリリン・モンローの系譜を継ぐ白肌ムッチリ系のスカヨハと、ラテンの太陽エロス全開のペネロペの絡みを拝めるだけで、見る価値アリ、と思います。(←無茶苦茶オヤジなコメント・・・)

もちろん、ハビたんの色男っぷりも必見。前はこんな姿↓で屠殺用エアガンを携行しておりましたが、今回は目ヂカラで勝負です。

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←こんな姿。本日2回目

あと、地味な役回りですが、一般女子が最も感情移入できるヴィッキーという役柄が存在すること自体に、この映画の脚本の妙があるのでは。

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『愛を読むひと』

~やっぱり「あなたなら何をしましたか?」なんですよ~

※ネタバレ&長文注意。映画に興味ない方は読み飛ばしてねん♪

1995年に出版され、世界的なベストセラーとなったドイツの小説『朗読者』の映画化です。

少年マイケル(原作ではドイツ語名でミヒャエル)は、15歳の夏、21歳年上のハンナと出会い恋をする。ハンナの家で本を読み聞かせ、風呂に入り、関係を持つ。そんな日々が続いたある日、突然ハンナは姿を消す。そして8年後、法科の学生となったマイケルが傍聴に行った元ナチス親衛隊の罪を暴く裁判で、被告席に座ったハンナと再会することに・・・。

近ごろ「原作を読んだ方が・・・」「TV版がお薦め」という感想を書くことが続いてましたが、この作品の映画化は素晴らしいです

ものすごく行間を読み込んで作られたというか、小説では分かり難かった登場人物(とくにハンナ)の感情が、映画を見て「あぁ・・・そうか」と感じ取れる箇所がいっぱい。原作は、少年とハンナの恋を描いた1部、裁判の過程とハンナの過去が暴かれる2部、獄中のハンナに朗読したテープを送り続ける3部、と分かれています。最初読んだときには各部少しずつトーンが異なるので若干の戸惑いを覚えたのですが、映画版ではその点が統一されていて、逆に「より小説っぽく」なった気がします。

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ただ、『愛を読むひと』という邦題にちょっと違和感あり。歳の差を越えた愛、無償の愛・・・と、すんごいラブストーリーという印象でアピールしたかったのかな?という意図は分かるのですが、原作・映画含めて純粋な愛情というものは、この作品から感じ取れないんです。そもそも、愛とは違う気がする。なので、純愛物語を期待していくと肩透かしを食らうかも。

少年の幼く抗い難い欲望から始まった恋。あまりに強烈なハンナとの思い出。確実に幸せだったそれらの情景。それがハンナの罪や秘密を知ったとき、どう扱ってよいか分からない傷になってマイケルにつきまとう。

裁判を傍聴するマイケルからは、ハンナに対する愛情ではなく理解をしようと努める苦しみ、大人になって朗読テープを送り続けるマイケルからは、無償の愛というより、あまりにもハンナの存在が自分の人生や人格形成に与えた影響が大きすぎて、朗読し続けることで“解脱”でもしたいと思っているのかい?と思っちゃう、何ともいえない葛藤が感じられます。そのあたり、原作でも映画でも明確な回答を与えてくれてないところが、むしろ好感度大、です。

裁判所での尋問で、看守時代の罪を問われたハンナは、裁判官に問いかけます。「あなたなら、どうしましたか?」と。ネタバレですが、ハンナは文盲です。それをひた隠しにしてきたことで、職業選択の幅も狭められて看守になり、さらに裁判では重罪の判決を受ける原因にもなってしまいます。そんな彼女からの、真摯な、心からの問いかけです。そしてその問いは、ハンナとの関係、ハンナが文盲であったことをやはり秘密にした、マイケルにとっても生涯逃れられない呪縛となった気がします。

長くなってホント嫌なんですけど、もう1点、非常に心に残ったシーンが。服役中、ハンナは届いた朗読テープをきっかけに文字を覚える決心をし、読み書きができるようになります。釈放されることが決まった年老いたハンナとマイケルが再会する場面で、マイケルは聞きます。「収容所のことは考えた?」「刑務所で何を学んだ?」と。するとハンナ、収容所に関しては冷めた返答をする一方、「文字を覚えたわ」と誇らしげに答えるのです。非識字者について詳しくは知りませんが、読み書きができないことへのコンプレックス、屈辱感というのは、それほどに(収容所で犯した罪への罪悪感よりも?)大きなものなのか!と驚かざるを得ません。

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余談ですが、ホロコーストには子どもの頃から興味があって、4年ほど前にポーランドのアウシュビッツとビルケナウの収容所跡へ行きました。その時の印象がね~。自分でも「どこか麻痺してるんじゃないか?」と思うんだけど、“美しい”場所だなーと感じたんですね~。って、おかしいっすか?

でも、素晴らしく天気の良い日で、バラックとガス室の跡が点在する広大な草地の向こうには深緑の森や湿地が続いており、小鳥のさえずりまで聞こえる。(当時はデジカメで写真をとってなかったので、アップできないのが残念です)午後のひと時、そんな中じーっと木陰に座っていると、ここで過去に想像を絶する残虐行為が行われていたなんて嘘のように思えてくる。でも、現実なんですね。そこで背筋が寒くなる。というか、ほんとうに「もし、私がその時ここに居たらどうしたか」と考える。もう何も肯定できず、何も否定できなくなります。

アウシュビッツには、観光地でもあり『シンドラーのリスト』の舞台にもなったクラクフを拠点に日帰りで行くことができます。ドイツやチェコ・プラハ方面へご旅行される予定があれば、ぜひ足を伸ばしてみてほしいところです。「そっと」そのまま存在している、そんな“負の遺産”です。

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『ハゲタカ』

~アイドル映画扱いにしていいですか?~

それはそれは楽しみにしていた映画版『ハゲタカ』を観てきました。

大変だったろうなあ~この脚本作るの。世界に広がる新興国国家ファンドの影響、米国サブプライムローン問題に端を発した世界金融危機、そして日本の派遣切りの問題等を、ファンドビジネスに絡めて展開させるスリリングなエンターテイメント!・・・と、熱烈推薦したいところですが・・・。ちょっと自信がデクレッシェンド。というのも、やっぱりテレビドラマを見てた方がいいねぇ~。いきなり映画だと、面白さ70%OFFぐらいだと思います。(劇場でも「なんかワケ分かんな~い」という女子の声多し!)なので、通しで観てもたった6時間ですから、ぜひDVDで予習してから映画館へ行かれることを強くおススメいたします!

大方のテレビドラマ映画化の例に漏れず、これもテレビ版には及びません。そりゃ2時間しかないもの。テレビ版の持ち味だった人間ドラマの深みまでをも求めるのは、酷な注文ですよ。無駄なアラ探しは止めてこれはこれで楽しむのが◎。

経済ドラマとしては十分面白いし、人間ドラマだって手堅く押さえてあったと思います。中国の貧しい農村の少年がみた“赤いスポーツカーの夢”に、日本経済の未来と希望を絡めた描き方が切なくて、「一本取られた!」って感じでした。我われ中国引き揚げ組には二度美味しい。ただ、テレビ版での人物相関図が入ってないと、栗山千明や松田龍平の存在意義が分からないかもね。

とまあ、やたらとこの映画の肩を持っておりますが。だって、なんやかや言って結局、私的には大森南朋が目当てのアイドル映画に分類されちゃってるんで、許してください(←前出の蘊蓄も説得力ナシ?)。んで、そんな理由でもう一回劇場へ見に行っちゃっていいですか?

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(映画の原作だそう。←読んでませんっ。)

レディスデーに行ったせいもあるんだけど、上映後の客席から「えー、玉鉄が主役じゃなかったの?」とか「高良健吾、出番少なくない?ショック」とかいう声の多かったことよ。そして、「あのハゲタカの人」呼ばわりされていた大森南朋・・・。そろっそろ、もうちょい知名度上がってもいい俳優だと思うんだけどなあ・・・。

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『サガン ‐悲しみよこんにちは‐』

~いっぺんだけでも、やってみてぇー~

昨日(6日)から公開されている『サガン‐悲しみよこんにちは‐』を鑑賞。初回だったため先着者へのプレゼントでちっちゃな“オリーブ石鹸”(←おフランス製)をいただきました。今までもらった物のうちで、一番嬉しいかも。一応「性別・女」の自覚があれば、女性受けする映画は早めに行くに越したことたぁない、と思いました。

さて、映画の方ですが。鑑賞前に『悲しみよこんにちは』だけでも読んでいかれることをオススメします。18歳で書いたというこの処女作に、フランソワーズ・サガンのパーソナリティの基盤が凝縮されている気がしました。予備知識が少ないと、サガンの生涯をぴゅーんbullettrainっとなぞった感じの映画だったので、彼女をただの「金遣いが荒くて、気ままで、ちょっと可愛いおばちゃん」だと思って終わってしまう可能性が・・・。

それにしても、印税で5億フランdollar(当時の364億円相当)という大金を手にした18歳の娘に、「お前の歳にはちと多すぎるから、使っちゃいなさい」と助言するオトン、ですよ。そりゃ普通の女に育ちませんよ、この娘。そしてキレイに使っちゃうフランソワーズ嬢。一度でいいから、こんな事やってみてぇー・・・

絵に描いたような自由人だったサガンですが、なんか益々好きになりましたね~。友人、知人、恋人(男女問わず)、息子・・・周りに人はいっぱいいるのに、何故かいつも独りだと感じているサガン。分かるわ~、なんか分かるわ~(共通点など無いですが、何か?)。彼女を愛した人はいっぱいいたと思う。そして、彼女もそれなりに皆を愛し、愛されたかったのだと思う。けれど、果たして彼女が本当に心から愛した人がいたのかどうか・・・。サガンの孤独感、情緒不安定の原因を探るカギはその辺にあるのでは?と、南仏の香りがしそうなオリーブ石鹸を泡立てながら思ったのであります。

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やはり、この新訳がオススメ。以前のは1950年代の翻訳なので、ちょっと表現がピンとこないというか・・・。例:「お風呂タオル」⇒あ、「バスタオル」のこと?みたいな箇所がちらっほら

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『レスラー』

~ミッキーローク、嗚呼ミッキーローク、ミッキーローク・・・そんな映画~

ミもフタもない言い方ですけど。

試写会が当たったので『レスラー』を見てきました。

ええっと・・・格闘技が苦手なので、目を覆って見られなかったシーンが多く(←なら行くな)。っていうか、それが予想以上に多く、ビジュアル的に痛くて痛くて仕方なかったcrying

ですが、評判どおりミッキー・ロークの熱演は見応え十分!でも、演技に対しての評価というより、「あそこまでよくやった!(=監督、よくあそこまでやらせた!)」っていう役作りへの賞賛のような気もする。ともに“落ち目”のストリッパーを演じたマリサ・トメイも同様です。すごいです。

ストーリーとしては、不器用な男の生き様を描きたいという意図はビシバシ伝わってくるんですけど、せめてあとワンエピソードだけでも、乱闘シーンをちょっと減らして家族の喪失のプロセスを掘り下げてもらえると、終盤もっと入り込めたかなあ・・・という気がいたします。

でも、結局は好みの問題かな。すごく共感できるという方も大勢いらっしゃると思うので、またご覧になった方は感想を聞かせてください!

Photo (やっぱり)嗚呼ミッキー・ローク。こんなに艶やかだったのに・・・。

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『非誠勿擾』

~ブームは歓迎。でも、ちょっと困ります!~

「中国でいま北海道ツアーがちょっとしたブーム」というニュースを、テレビや新聞でご覧になった方は多いと思います。昨年12月に中国で公開された映画『非誠勿擾』(英文題:If you are the one)がその“火付け役”だというので、中国帰りの友人にDVDを入手してきてもらいました。

本国では作ればヒットするスター監督フォン・シャオガン(『女帝[エンペラー]』『イノセントワールド‐天下無賊‐』など)の作品で、やっぱり大ヒットしたそうですが・・・。

つまんねー。┐(´-`)┌

この作品が好きな人、および、わざわざ買って来てくれたT嬢、ごめんよ・・・。でも、目的は「ブームの出所をこの目で確めたい!」だったから・・・。

超くだらない発明品が信じられない高値で売れて、「残す目的は嫁取りのみ!」となった冴えない中年男(グォ・ヨウ)の前に、不倫に疲れ果てた美女(スー・チー)が現れます。なんやかんやと“有縁份”で意気投合した2人。女の「心の中に一人の男性(=不倫相手)を思い続けてよいのなら、あなたと結婚前提に付き合う」という提案にのり(←のるんじゃねーよ)、2人で女と不倫相手の思い出の地・北海道を訪れる(←どこまでお人よしなんでぇ)、という筋書き。もう大体、結末まで読めるでしょ?

後半はほぼ網走周辺や(たぶん)阿寒湖など、道東の町や自然を舞台に展開するので、その風景に魅せられた中国の人が、こぞって「北海道ツアー」に参加している、ということらしいです。もちろん、海外旅行ができる一部の富裕層だけですが。

北海道の観光産業が活性化されるのは喜ばしいことです。ですがね~、中国からの大勢のお客様を日本全国お連れするという仕事柄、映画のマネをされては困ります!と私は声を大にして言いたい。

神社や教会、果ては警察や病院にまでご迷惑をかけるのは、まあ、非現実的な展開なのでよしとして。旅館の浴衣姿で町の居酒屋に繰り出して(あり得る)、歌って騒ぐのは(これもあり得る)絶対やめてください!・・・だって、やりそうなんだもん。

Photo ちなみにこの作品、日本を去って久しいビビアン・スーもちょっと顔を出しています。

コメディー作品で中国人から絶大な人気を誇るフォン監督。『女帝[エンペラー]』や『戦場のレクイエム』を撮った時には、「あら、あなたまで時代劇&アクション路線へ行っちゃうの?」と不満に思ったものですが、結果、日本人には“そっちへ行きっぱなし”の方がまだ面白く観られるみたいです。前から思ってたんですが、中国・香港のコメディー映画って、そもそも日本人の感性に合ってない気がします。楽しみ方がムズカシイ・・・。

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『ベルサイユの子』

~色んな意味で「その後」に思いを馳せる映画~

昨年秋に急性肺炎のため37歳の若さで死去したギョーム・ドパルデュー主演作『ベルサイユの子』をやっと観た。

かのベルサイユ宮殿を取り囲む森には大勢のホームレスが暮らしているそう。

受け入れてくれる家族がいるにもかかわらず、社会に迎合できずに森でホームレス暮らしを続けている男(ギョーム)が、母親に置き去りにされた男の子の面倒を見るうち、父親のような情愛を抱くようになる・・・というお話。

07年仏大統領選挙は、深刻な雇用・失業問題(とりわけ若者の失業率は20%を超える)を争点の一つとして、“フランス=華やかなファッション&グルメ”とは異なる顔も持っていると、日本人に多少なりとも認識させました(そーでもない?)。そんな社会問題をばっちり背景にしつつ、同作は簡単に説明のつかない人間の感情、生き様を描いています。

映画は序盤から母親の「無責任さ」、ホームレス男の「優しさ」を観客に深く印象付けていくのですが、終盤になるとその“印象”にすら疑問符を投げかけ、突如とした幕切れで観る者の感情を宙ぶらりんにしてしまいます。ある種の放置プレイですな。

ホームレス男の気持ち、母親の気持ち、そして大人たちの事情に翻弄された男の子の気持ちを、丁寧に説明なんてしてくれません。・・・でも、それが人生ってものなのか?観客それぞれが考えるしかないのでしょう。

それにしても、ギョーム・ドパルデューがはまり過ぎです。

監督はキャスティングに当たり、まず先に「子どもの手を握る“大きな男の手”のイメージがあった」と言っています。確かに、「子どもでなくとも『あの手が握っていてくれたら安心する』と思わせる手だ~」って思いましたもん、映画を観てる最中から。“体がいい”んですよ、ギョーム・ドパルデュー。変な意味じゃなくってね。

仏映画界の問題児といわれ、バイク事故の後遺症で“義足をつけた俳優人生”を余儀なくされた彼が、かすかに足を引きずりながら(演技なの?『ランジェ公爵夫人』とか観てないので分からない・・・)小さな子の手を引き、人生を歩んでいこうとする姿は胸に迫るものがあります。亡くなったのが本当に惜しい。今後どんな変貌を遂げるのか、心から観てみたかったと思います。

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ギョーム・ドパルデューの過去作代表。また色っぺえんだ、これが。

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『ミーシャ/ホロコーストと白い狼』

~こんな凄い子、見たことないかも・・・~

ホロコーストの悲劇も狼少女の話も、映画に限ったことでなく、すでに其処彼処で聞き・語られ、もはや新鮮味(こんな言い方は不道徳ですが)を観客に与えられる題材ではないと思います。んが、しかし。この『ミーシャ/ホロコーストと白い狼』は、完全に主人公の少女ミーシャに驚嘆するための映画だ!とオススメしたい。

ブリュッセルに暮らすユダヤ人の少女ミーシャは、学校へ行っている間にナチスに連行されてしまった両親を探し、たった一人でドイツ~ポーランド~ウクライナへと歩いて(!)旅します。極度の空腹と疲労、そして冬の寒さで進めなくなったミーシャを救うのは、なんと森に住む狼の群れで・・・というストーリー。

このミーシャを演じる子役が上手い、とかいう次元じゃないんですよ。とにかく、その凄味はどこから来るんですか?と、30年生きててもヒョロヒョロのお姉さんはビックリです。両親を遮二無二探し求め、生きるために狼とともに生肉を喰らう。「自分がこの年齢の頃って、ここまで本能のまんまだったかしら?」なんてツマラナイ回想をしても無駄。とにかく、“常識を超越した子ども”なんです。

“ホロコースト”に“狼”なんてつくタイトル。「うわっ、重っ・・・」って敬遠したくなる気持ちは分かりますが、一見の価値はあり、です。

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『四川のうた』(たまには真面目に)

~語る映像。すごいよ、ジャ・ジャンクー~

とても地味に公開されていますが、非常によかった。『四川のうた』。

正直、そもそも中国に興味がない人が見ても退屈な映画だと思っていたし、ドキュメンタリー×フィクションという手法も「どうなの~?」と期待していなかったのですが、固定カメラ中心の映像と登場人物の語りがこれほど雄弁に半世紀にわたる物語を紡ぐとは!!

大手デベロッパーに売り渡され、50年以上の歴史に幕を下そうとしている成都の巨大国営工場「420工場」。その広大な敷地内では、約10万人もの労働者とその家族が、まるで一つの町に暮らすかのように生活してきました。工場の解体は、その“故郷”の消失を意味します。ジャ監督は、同工場で暮らした100名以上にインタビューを敢行。歴史背景や社会体制の説明は排除し、“彼・彼女ら自身の経験”だけを、プロの俳優4名を中心とする老年・中年・青年世代の登場人物数名にドキュメンタリー形式で語らせていきます。

個人的な思い出になりますが、北京にいた時、中国人は世代によって「中国の今・昔」に対する想いが大~っきく異なることに気付かされることが多々ありました。

外国人の我々にすれば、著しい経済発展を続け、良くも悪くも様々な話題を振り撒きまくる今の中国にすごいエネルギーを感じるでしょう?逆に、「改革・開放前、ましてや文革時代の中国なんてとんでもない!」みたいなイメージがあるか、と・・・。けれど実際、ご年配の方とおしゃべりすると、それはそれは懐かしげに「昔はよかった」バナシをされるんです。“集団・体制の中で守られてきた安心感”みたいなものがあったようで、「はい、皆さん。それぞれ頑張って生きてって下さいね!」って投げ出されてしまった現在の状況の方が厳しいんですね。

一方、若い世代は違います。ものすごい上昇志向です。「こりゃ日本、負けるわ」と何度思わされたことか・・・。

映画の後半で、若い女性アパレル・バイヤーを演じるチャオ・タオ(『長江哀歌』でも主演)が、印象的なセリフを言い放ってます。「両親のためにこの高層マンションを買ってみせる。高価だって分かってるわ。けど、絶対できる。だって私は労働者の娘だもの」。彼女、実際には私と同じ70年代生まれだと思うのですが、この心意気っすよ。今の中国を引っ張ってるのは。

『四川のうた』は、静かな映像と語りだけで、それぞれの世代間ギャップまで鮮やかに描き出しています。始めに「中国に興味のない人には退屈」と書きましたが、大きな社会のうねりがあの国の人々の生活にどんなドラマをもたらしたのか、それは十分に感じ取れる作品です。

さて、同作は中国で上映された3本目のジャ・ジャンクー作品(『世界』『長江哀歌』に続く)ですが、興行的には一番のヒットになったそうです。よかった、よかった。インディペンデント系は中国でも難しいですから。

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本国版チラシ(?)

ところで、今年もカンヌに『Spring Fever』(原題「春風沉醉的夜晩」)をコンペ出品しているロウ・イエ監督。ジャ監督と同じ“第6世代”の旗手と言われていますが、『天安門、恋人たち』での表現を理由に中国当局から「今後5年間の製作禁止」処分を言い渡されている最中。なのに、また出しちゃいました。もう、本国で活動する気はないのでしょうか・・・。その製作意欲、反骨精神は素晴らしいと思うのですが、私的には、ジャ監督の独自のスタイルを保ちつつも「インディペンデント系もアート系も、市場に組み込まれていくべき」とキワドイ反抗はしないスタンスを支持したいです。

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『天使と悪魔』

~今度は中国でもOKですか?~

3年前のヒット作『ダ・ヴィンチ・コード』の続編として封切られた『天使と悪魔』を観て来ました。

物議を醸した前作に比べ、わりと大人しめに公開された感のある今作。娯楽性だけに触れれば、断然レベルアップしていると思います。スピード感溢れる展開と“分かりやすさ”。これ、ここです。分かりやすさ。『ダ・ヴィンチ・コード』を見て頭「???」だった人も、「ちょっと映画行こうぜ!」と家族・友人を連れて行って横で眠られる心配もない。大丈夫かと思います、はい。

でも、十字軍やテンプル騎士団の伝説、シオン修道会やフリーメーソン等々の秘密結社ばなしにゾクゾクする性質の自分は、『ダ・ヴィンチ・コード』の方が楽しめました。みぞおち辺りがヒヤッとする感覚がたまりまへん。小説読みたいっす。

ところでところで。2006年5月に中国でも公開され、大ヒットを記録していた『ダ・ヴィンチ・コード』。確か突然、当局からの通達一枚で(一旦承認したにもかかわらず)上映が打ち切られ、観に行きたかったのに悔しい思いをした記憶が。←「中国語で見て分かったんか」っちゅうツッコミ、いただきました。

外国からの影響を排除するため、基本的に中国共産党公認の教会しか認められず、本来ローマ教皇の特権である司教の選任等も独自に行っちゃってる中国(誤認があったらゴメンナサイ)。そのため、ヴァチカンとは国交が断絶しております。しかし意外とカトリック教徒も多い国なので、仲直りの“落としどころ”を探っている最中にあの映画はまずかったのかなあ~とも思いますが。まあ、表向きは「国産映画の促進のため」となっており、本当の理由はわかりません

『天使と悪魔』は中国本土でも上映されるんでしょうか??今のところネット上で、そのようなニュースは見つけられないんですが・・・。気合い入れて探してないだけ?(「トム・ハンクスのマッスルはなかなかだgood」とかいう、どうでもいい記事は読んだ)現地の方、また教えてくだされませ。

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『ウェディング・ベルを鳴らせ!』

~笑う過度には服着たらず~

何を撮ってもハイテンション!エミール・クストリッツァ監督作『ウェディング・ベルを鳴らせ!』は、とりあえず頭を空っぽにして笑って観ることをオススメします。

ストーリーは超単純。田舎の少年&爺ちゃんが繰り広げる“セルビア版婚活ストーリー”・・・と、時代の潮流に沿った形容をしてみました。

でもでも。日本の“婚活”バナシでよく耳にする「草食系男子」なんていうキャラは一人も登場しないところがとってもヘルシーrun。男も女も、老いも若きもみ~んなバリバリの肉食系taurusなところが非常にナチュラルで健全な感じがするのは、私だけではないはずっ。健康的な下ネタが、生きてることって素晴らしい!と何故か感動させてくれる、観れば元気になること請け合いの一本です。

まずは「頭空っぽにして」と申しましたものの、クストリッツァ作品ならでは(?)のセルビアの世相風刺にも触れないわけにはゆきませぬ。

NATO(=アメリカとして描かれている)の空爆で破壊され、今まさに復興、経済発展を至上命題に走っているセルビアの町。農村からお嫁さんを探しにやって来た少年が一目惚れする美少女は、資本主義の名の下に一発儲けようと企むマフィアに身売りされそうになります。ストリップバーで売春を強要されそうになるんです。事前にその危険を察知した少年が少女の家を訪れた時、テレビで偶然放映されている映画が『タクシードライバー』だったりするんですね~。しかも、ベトナム帰りで精神を病んだモヒカン頭のデ・ニーロが、腐りきった社会の悪を成敗すべく、売春宿を奇襲するシーン。セルビアの現状を憂うメッセージを込めていそうで、実は込めていなさそうな、そんな本気⇔遊び紙一重のクストリッツァ作品、やっぱり私は大好きです!

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ところで、マフィアのボスを演じたミキ・マノイロヴィッチという俳優さん。『パパは、出張中!』にはじまり、『アンダーグラウンド』『黒猫・白猫』とクストリッツァ作品の常連ですが、つくづくウマ面白い役者さんだな~と思います。

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連休に引きこもる理由

映画好きと言うわりに、実はそんなに本数を観ていない。

とりわけ、「これ、絶対に観たい!」と前々から楽しみにしている作品でなければ、劇場に足を運ぶことも少なくなっている(行く時間自体ないし)。

んが、しかし。最近、とみにシネコン通いが楽しいのは、映画版『ハゲタカ』の予告編が流れるからかもしれません。

テレビ版が非常に面白かったのもあるのですが、主演の大森南朋。私的にストライクど真ん中です。そもそも、寺島しのぶが“痛キモチいい”感じに主演した『ヴァイブレータ』(03年)で、金髪に長靴穿いてコンビニに登場した瞬間、やられました。邦画は下手したらもう10年くらいお金を払って劇場で観てない気がするのですが、『ハゲタカ』は行こうと思います。

ちなみに、G.W.は4~6日の3連続でテレビ版を再放送するそうな。おいら引きこもりまっせ。しかし、一般的な知名度の高くない俳優を主演に迎え、あんな経済ドラマを作ろうと考えたNHKはすごいと思う。

ついでにいうと、『愛を読むひと』(6月19日公開)も劇場予告編を観ているだけで、原作『朗読者』を思い出して涙が出そうになります。お願いだから、日本版テーマソング(by平井堅)なんて作んのやめて欲しい。

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『新宿インシデント』

~姉さん、事件です!(←ちょっと古かった?)~

「イーストウッド作品の哀しさは日付を越える」と書きましたが。私、嘘をつきました。『グラン・トリノ』で流した涙は、続けてみたコイツ⇒『新宿インシデント』に吹き散らされてしまいました。

けなしてるんじゃないんです、ないんですが・・・

中国人のヒーロー、ジャッキー先生が大変です!

いくら問題発言して叩かれようとも、ジャッキー先生はユーモア溢れるヒーローだったはずなのにぃ~crying

こんなダークな(かなりVシネ入ってるし)ジャッキー・チェン映画は観たことない!ストーリー展開が強引なのは香港映画では当たり前。けど、女を買い、犯罪に手を染め、下水にまみれて走るジャッキー先生の姿は、結構な衝撃度です。中国で上映禁止になったのも納得のエグさだし。

え~っ、新宿って、歌舞伎町って、こんなにハードなんっすか?(←関西人なもので)

確かに、日本で不法滞在やイケナイことをやってる中国人の話はよく聞きますが。黒いところの詳細については、もっと調べてからでないとコメントできまへんな。

しかし、昨年亡くなられた峰岸徹さんはじめ、長門裕之、加藤雅也(やっぱこの人は関西弁がいいね!)ら日本側出演陣がすごい!時代は進んだ、と思いました。だって、かなり過激な暴力映画になっていますが、日本人と中国人をどっちが善、どっちが悪とすっぱり分けずに敏感に作っている。その気の使い方は、スクリーンに登場する豪華メンバーの顔ぶれを観てもうかがい知ることができます。これからますます、こんな風に国境・エリアを取り払ったアジア合作映画が作られていくのかしら・・・。

そうそう、忘れてはならない!もちろんジャッキー先生っぽいアクションも有り。でも、それを一緒にこなすのが竹中直人っていうセレクト、外国人監督ならではじゃないでしょうか。

最後に一言。「を見るのが苦手な人は、ぜーったい観ない方がいい

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『グラン・トリノ』

~運命が導いた?!イーストウッドの集大成~

昨日、破産申請したことを発表した米クライスラー。こことゼネラルモーターズ(GM)とあわせて「ビッグ3」と呼ばれている自動車大手フォードが1972~76年に生産したヴィンテージカー、それがタイトルの「グラン・トリノ」です。

随分前から日本車に押されて衰退気味ではありましたが、世界的金融危機で、輪をかけて過去の栄光見る影無しのこの3社。これが俳優として参加する最後の作品と言っているC・イーストウッド監督・主演作『グラン・トリノ』の主人公が、元フォードの組立工っていうところからして、“いかにもイーストウッド”的な悲哀を感じるじゃあありませんか。

舞台は治安の悪さではお墨付きの“自動車の街”ミシガン州デトロイト。主人公コワルスキー(どうやらポーランド系アメリカ人らしい)は、家族からも疎まれている筋金入りの頑固オヤジです。自分がステアリングコラムを取り付けた「グラン・トリノ」を毎日磨き、日がな一日ビールをガンガンやりながら愛犬に話しかけ、至る所で人種差別的暴言を吐きまくる嫌われ者。息子はよりにもよってトヨタのセールスマンとなり、「ランドクルーザー」に乗って妻の葬儀にやって来るもんだから、いつもブルドッグのように怒りの沸点3度下くらいで唸っている。そんな偏屈ジイさんが、お隣に住むモン族の姉弟と心を通わせていくストーリーです。

・・・と、超簡略化してあらすじを紹介しましたが、女性は必ずアイメイクをウォータープルーフのものにして行ってください。パンダになります。さもなくば、夜道を人目に触れずに帰ってください。

今年一番泣いたかなぁ。『ミリオンダラー・ベイビー』もそうでしたが、イーストウッド監督作の哀しさって日付を越すんです。ほんま、勘弁してください。

ほぼ予備知識なしで観たので、てっきりイーストウッドを当て書きした脚本を使ったのかと思いきや、映画初脚本の新人が書いた作品を、ほとんど手を入れずに撮ったものだと知ってびっくりです。

というのも、映画の主人公と同様にイーストウッドも朝鮮戦争に従軍しており、長年暮らしているカリフォルニアにも劇中登場するようなモン族のコミュニティがある。そして、物語ラストの“落とし前”のつけ方・・・。「イーストウッドやなかったら誰ができんねん!」って思うような見事なはまりっぷりの筋書きです。

俳優人生のラストにこの脚本と巡り合ったということは、偶然、いえいえ、運命だったのかもしれませんね。

ところで、登場する「モン族」という人たち。我々中国が長い者の間では「苗(ミャオ)族」として通っています。

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中国網(china.org.cn)より拝借

中国は貴州省など南西部に多く暮らし、国境を接するベトナムやラオスにも広く分布。ちなみに「ミャオ」というのは漢民族による呼称のため、呼ばれるのを嫌がる人もいるそう。インドシナ半島で生活していたモン族の一部は、ベトナム戦争時に共産主義をくい止める盾として米国に加担(利用されたというべきか)。サイゴン陥落後、共産主義政権から逃れるために米国に移住し、今でも二世三世がカリフォルニア、ミネソタ、ウィスコンシンあたりに暮らしているそうです。

そういえば、北京留学中にもラオス系アメリカ人の男の子がいたな、と今思い出した。ひょっとしたらモン族だったのかもね。以前、旅先のホーチミンで出会ったシクロ乗りも、サイゴン陥落の際に米国へ逃げる船に乗り遅れ、妻子と生き別れたって話してたっけ。それもコレと関係ある??・・・う~ん、アメリカ。ほんと、罪深いことやってるよ。

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『太陽がいっぱい』

~そして、映画を俳優で選ぶ母~

自分が映画を好きになったのは、母の影響が大きいです。

といっても、母はしょっちゅう劇場に連れて行ってくれるような“映画通”ではなく(まあ、和歌山なんでそんな劇場自体なかったけど)、とにかく好みの男性が出てる映画を、レンタルビデオやTV放映で繰り返し観る。そんなわけで、数十回と付き合わされた映画が『インディ・ジョーンズ』シリーズと、『タワーリング・インフェルノ』。時々『ダーディハリー』。

精悍なお猿さん系ヒーローが好みなのだな・・・。子ども心に、小柄でフィリピンマフィア系の父(現在は歳を重ね、なぜか北大路欣也系に変貌を遂げた)との婚姻生活を心配した記憶があります。

そんな“母が愛する男たち”のうち、珍しくお猿さん系とは外れたタイプで、私が出演作を一度も観たことなかったのがアラン・ドロンでした。超ベーシックなのに。んで、今更ですが、初めて名作といわれる『太陽がいっぱい』を観てみました。

結果、アラン・ドロンはちっとも素敵だと思いませんでした。母よ、あなたとはやはり好みが異なるようだ。確かにハンサムなんですけど、自分は生理的にダメで。私が将来(そんな悠長なこと言ってられる年齢ではないが・・・)結婚相手を連れて帰るとしたら、どっちかというとフィリピンマフィア系な気がするので、覚悟しておいてください。

『太陽がいっぱい』自体は、昨今の感覚で楽しませる、TV的映画に慣れすぎてしまったせいか、単調に感じて途中寝てしまった自分が悲しかった。なんか、もっと昔の名作や古典作品を観ようと思わされました。ただ、音楽が本当にステキ。音楽がこれほど後々まで残る作品って最近無いじゃないですか。やはり、“メロディーがシンプル”、これだと思います。簡単そうで実は一番難しいのでは。

アラン・ドロンって、ちょっと前に「ビストロSMAP」に出ていましたね(ひたすら本場のブイヤベースの味にこだわっていた)。現在73歳。若々しさの秘訣を聞かれ、「いつも恋人をつくっておくことだよ」と答えていたダンディな老人は、『太陽がいっぱい』の頃より数段格好いいと思いました。

ちなみに、母はいま大河ドラマ「篤姫」で堺雅人にはまり、紀州で彼の出演作をくまなくチェックしている。

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『スラムドッグ$ミリオネア』

~09年観た中の暫定№1!~

このところ、タラッタラとくだらないブログを書きがちでしたが、

とりあえず暇があるなら観とこう。

以上。

・・・といいつつ、やはり一言。確かにピュアで幸せになれる映画。色んな著名人もチラシ等にそんなコメントを寄せています。しかし、中国でも様々な子どもの物乞いに嫌というほど出会いましたが、世界にはどうすることもできない境遇にいるこんな子達が無数に存在することを、改めて突きつけられた気も。決して幸せな映画じゃない。

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『レイチェルの結婚』

~家族と分かり合うことが最も難しい~

久々に映画を観て泣き疲れました。昨晩は遅ればせながら『おくりびと』(←やっぱり広末涼子が受けつけない・・・)を観て、涙腺が緩んでおったからでしょうか。『レイチェルの結婚』。兎に角、中盤からダラ~ンと涙ハナ汁垂れ流し状態で、いつもほぼスッピンである我が顔面に感謝したほど。ただ、誰しも泣いてしまう作品というわけではないかも。個人的にツボだったってだけで。

舞台は米国北東部のコネチカット州。主人公のキムは、麻薬の常習(たぶん他にも悪事やってる)で入れられた施設を退院し、近々結婚する姉レイチェルがいる家族のもとへ帰ります。米国の結婚式は、ドレスの準備からパーティーまで、一切合切、手作りが主流。姉やそのフィアンセ、友人らは式の準備にてんやわんや。そんな家にキムはなかなか溶け込めない。また、ギクシャクする家族とのやり取りの中で、人一倍繊細で脆い彼女が背負う過去の悲劇も徐々に明らかにされていく。

実際の米国の崩壊家庭をビデオカメラで記録したような緊迫感です。この作品に限らず、家族というのは近すぎて、たとえ決定的な亀裂が生じてしまったとしても、気付かないフリをして平穏な家庭であろうとする傾向がある、また、その必要があると感じます。“鯛の塩釜焼き”みたいに叩けばすぐ割れるのに、何かで覆い固めずにはおれない厄介な絆。

同作の結婚式は、何故だか分かりませんが介添人の衣装がインドのサリーだったり、ウエディングケーキが“青いインド象(!?)”型の一風変わったシロモノであったり、ファンキーなおっさんがギター演奏したりと、なんとも多民族的。新郎の顔が広いのか、お祝いに集る人々も黒人にアジア系、人種も職業もまちまちで、米国らしさを感じさせる。しかししかし、素晴らしい式にするため、こんな多様な人々が力を合わせて頑張っているというのに、一番のボトルネックは家族問題というところが、この映画のリアルで愛しいところです。

監督のジョナサン・デミは『羊たちの沈黙』(←超超好き)や『フィラデルフィア』で有名ですが、登場人物の心理をグッサリえぐる演出に非常に長けている(偉そうですんません・・・)。特に、『羊たち~』で“人食いレクター博士”が面会に来た女性FBI捜査官に向かって「高価なバックに安物の靴。田舎から苦労して出てきた野心家だね」と指摘するシーン。イタイところを突かれたこの捜査官を演じるジョディ・フォスターの表情が、15年近く(うおぅっsweat02)経った今でも忘れられない。

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『太陽に灼かれて』

~そして髭のおじさんの時代へ~

19世紀ロシアの絵画を堪能したハナシは前に書いたとおり。思いのほか気に入ったので、絵画で表現されていたような陽光たっぷりの空と森と川辺、また人々が集って歌い踊る優雅なお屋敷のお茶の時間などを、とても美しく映像化した露=仏映画『太陽に灼かれて』を観なおしてみた。

スターリンによる大粛清が過激さを増してきた1936年の夏。

ロシア革命の英雄であるコトフ大佐(ニキータ・ミハルコフ監督自ら演じる。上手い!)は、若い妻マルーシャと可愛い娘(監督の実の娘)とともに、都市部の血腥さから遠く離れた田舎の避暑地で過ごしていました。そこへ突如、10年前に姿を消した妻の元恋人ドミトリが姿を現します。

実はこの男、スターリンの粛清を実行する秘密警察NKVD(KGBの前身)の一員。なんとなく、男が現れた目的を察知するコトフ大佐。10年前にマルーシャと引き裂かれてドミトリが姿を消した真相と大佐の関与、女をめぐる2人の男の微妙な心理、パパ大好き&“ドミトリおじさん”にも懐く幼い娘の天真爛漫な可愛さが、終始とっても美しく、穏やかに描かれます。

そんなロシア絵画に命を吹き込んだような映像に、言い現し難い恐怖の予兆を与えてくるのが、タイトルにもある“太陽”、つまりスターリンなんですね(あくまで推測ですが)。終盤、のどかな田園から場違いも甚だしくぬお~っと浮かび上がって来るオレンジの気球と、それに吊り下げられた巨大なスターリンの肖像画。実際にはあり得ない構図。「こいつに灼きつくされるのか」と、観る者の背筋を寒くします。

一説によると、1937~38年の間に約134万5,000人が捕らえられて有罪にされ、その半数が死刑判決を受けたそう(日本人も十数名は粛清されている)。はっきり言って、有罪とされたことに明確な理由はなかったのでしょう。独裁者となった人間の反対派抹殺にかける執念。いやはや、恐ろしい。その時代に生きざるを得なかった人々の過酷な運命は、我々の想像を絶します。

絵画展と合わせて、来るG.W.、Bunkamura→渋谷TSUTAYA(ほかでレンタルしてるか疑問なんで)とロシア三昧するのは如何でしょう?(ただ、デートには不向き)Svwkccvgi

1994年のカンヌ審査員特別グランプリ受賞作。その年のパルム・ドールは、くっだらない話を繋ぎ合わせたら傑作になっちゃった『パルプ・フィクション』(劇中「fuck!」登場回数265回なんだってよ)だったので、カンヌって懐深いっす。

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『レッドクリフ PartⅡ』

~赤壁(下)~

タイトル、中国版はこの上なくシンプルである『レッドクリフ PartⅡ 』。日本でも「赤壁」でやるわけにゃいかんかったんかしら?なんか英語だとスタローンが出てきそうで・・・(←たぶん「クリフハンガー」がちらついてる)。

中国では一部で、海外配給時のタイトルを「レッドクリフ」と英訳することに反発があったそう。中国が誇る赤壁の物語は、中国語発音の「ChiBi」でやれ、と(ガイジンが分かるかいっpunch)。

いや~堪能した、堪能した、チャン・フォンイー(=曹操さん)。望まれれば嫁ぐ(←ぜったいにない)。久々にポップコーン食べながら映画観て、幸せでした。やっぱあの腹黒いオッサン、最高だわheart01。カリスマ性があってパワフルなのに、どうも女の手のひらで転がされてしまう御茶目なキャラは、ジョン・ウー監督、名作『さらば、我が愛~覇王別姫』でのイメージ流用ですが、・・・って、どうでもいい事を書いていたら、テレビの日曜洋画劇場で「Part Ⅰ」が始まりました(地上波登場、はやっ。しかし、結構エグイけど、子ども見てもOKなん?)。キャーまた曹操heart04

思わず恋文が長くなってしまいました。背後に聞こえる「PartⅠ」の猛者たちの大見得が気になるところですが、「PartⅡ」の感想を。

クライマックス近く。周瑜×曹操で銃と銃、もとい剣と剣を突きつけ合うお馴染みのシーンが登場してから後は、もう、これ香港ノワールだったかしら?ってな具合に、まさにジョン・ウー的世界、『男たちの挽歌』にしか見えませんっ!

男クサー。3affef171e9f7860_2 ま、そこが愛すべきところなんすけど。

私的ジョン・ウーの入門書となった「ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌」(92年)の一幕。 なんと15年以上前から、同じジョン・ウー作品で同じよーなポーズをとっているトニー・レオンさん。香港スターは息が長い。っていうか、香港映画界、次期スター不足?

~地味に決意表明~

最近、職場で「変態」という立派な称号をいただきました。ヘンタイなんてまだまだ恐れ多いので、せめて「オタク」にしていただけるよう、日々益々精進していく所存です。

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『麦の穂をゆらす風』

~偉大なる島国~

私は右翼じゃありません。ので、サブタイトルも日本のことではありません。(もちろん日本は素敵です)

2006年のカンヌでパルムドールを受賞した『麦の穂をゆらす風』をDVD鑑賞。詳しくあらすじを紹介すると複雑かつ長文になること必至なので、興味のある方は公式サイトをご覧下さい。

第一次世界大戦が終わり、数年がたったアイルランド南部。英国から送り込まれた治安警察補助部隊“ブラック・アンド・タンズ”の凶悪な弾圧・暴行に反撃するアイルランド義勇軍(のちにアイルランド共和軍IRAとなる)のメンバーとなった兄弟の悲劇を描いています。

700年間英国の支配に堪え忍んだ小国の苦渋。いやー、やるせないんですよ、観ていると。どうしてこの人々がこんなツライ目に遭わなくてはいけないのぉ?と、悔し涙がながれますsweat02うちのアイリッシュ友はなんかちょっとシニカルで、変テコな具合に肝っ玉が大きいんですが、その特徴もかなり納得。おまけに土壌にも恵まれないから農耕にも向かず、ここの食事はジャガイモが主役。「イモがあれば大丈夫っしょ」とサバイバル能力もとても高そうな人々なのです。

世界中には、もっと住みよい土地を求めて海の向こうへと漕ぎ出したアイルランド移民の子孫達が無数に活躍しています。(ちなみに、本国のアイルランド人より、海外に暮らすアイルランド人の方が多いらしいし・・・)“アイルランド系アメリカ人”とかで検索かけてみると、その錚々たるメンメンに驚きますよ。

幸か不幸か、日本は小国ながら内的にも外的にも環境要因に恵まれ、海外に新天地を求める必要はありませんでした(とち狂った時期があったものの)。どっちがグローバルか?ってったら、「もう聞かんといたって下さい」って感じですが、まあ、同じ島国でも違うものです。

アイルランド関連でもう1作。興味のある方はロバート・J・フラハティという人が撮った1934年の作品『Man of Aran』を観てみてください。アイルランドの西にあるオール石灰質の岩でできた小さな小さな島・アラン(漁師さん御用達アランセーター発祥の地!)。厳しい、もうほんっとに厳しい環境下で逞しく生きる人々の生活を、ドキュメンタリー風に仕立てた力作です。もちろんモノクロ、ナレーションは一切無し。しかし、映像がすごいです。中国でも観れますよ、たぶん。私は北京でDVD買いましたから。

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主演のキリアン・マーフィーさん。はじめ寄りで観たとき「えっ、主役この人?」って思います。だって、悪そうなんだもん。顔。→その後、『バットマン・ビギンズ』で敵役、そのほかテロリスト役等をやってキャリアアップされてると聞き、「そう思ったのは私だけじゃなかったんだ」とちょっと安心した。

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『ボンボン』

~女ムツゴロウへの誘い~

シネカノン有楽町一丁目にて、4月3日まで過去に同劇場でかかった映画のベストセレクションが再上映されています。んで、犬好きの私と実妹ゴンゴン(人間です)は、アルゼンチンのワンちゃん映画『ボンボン』を仲良く鑑賞することに。

まじめ一徹、20年間働いていたガソリンスタンドをクビにされ、娘の家に居候するちょっと情けない表情のオジサンが主人公。ある時、路上で故障していた車を修理してあげたお礼に、いかついツラがまえの大きな犬をもらいます。

どうやらチャンピオン犬の立派な血筋で、ちゃんと血統書も付いている由緒正しきワンちゃんなんですが、社会の底辺で細々と暮らしてきたオジサンに、そんな価値は分かりません。ええっオイラお金無いのに、犬なんて養えねえsweat01・・・と思いつつ、言われるままにデカイ犬を連れて帰っちゃうオジサン。素敵です。もちろん娘は激怒。仕方ないべ、返しに行こう。トラックにボンボンを載せて家を出ます。ひとりと一匹の旅の始まり。それからそれから、道中わけあって出会った犬好きに「ドッグショーに出すべき」と勧められ、またまた言われるがままドッグトレーナーに会いに行っちゃうんですね~。

コワモテのボンボンといつも困った顔のオジサンは、静かに、しずか~に心を通わせていきます。なかなかシュールです。トレーニングの末、地方のドッグショーに出場したボンボンは立派に入賞。“種付け”の予約も入り、ブリーザーとして一発あてられるかも?!オジサンも舞い上がりますが、ボンボンにはアチラの方に若干モンダイが・・・。そして、物語は「え!ここ感動するとこ?!」ってシーンで衝撃(?)のクライマックスを迎えます。

あらすじ説明が長くなっちゃいましたが。このボンボンは、ドゴ・アルゼンティーノというアルゼンチン原産の猟犬だそう。強暴だけど主人には忠実、なんだって。道を極めた顔してるもんね。もう、肉付きといい、後姿といい、抱え込んでぐわ~っとなでなでしたい。可愛いheart01こんなクラブもあるらしい⇒http://www.geocities.jp/dogojapan/gallery_top.html けっこうドウモウなのねcoldsweats01

「ボンボン」なんて可愛いタイトルついてるし、動物モノってぇとどうもファミリー向けかしら?と思いますが、この作品、なかなかの社会派だと思います。アルゼンチンといえば、南米でも比較的豊かなイメージがありますが、実は失業率20%、国民の4割が貧困層というかなり逼迫した経済情勢に悩んでいるらしい。なので、映画でもリストラされたオジサンの心労をたっぷり感じさせる場面が登場するし、裕福な家庭で“ブラウニー”を勧められるも、どの菓子だか分からない・・・なんていう切ないシーンも描かれます。せめて少しの収入でもあれば・・・それがオジサンの一番の願い。そんな時に現れたボンボンは、オジサンを幸福へと導いてくれる(かもしれない)希望の天使(←顔は極道)なのです。犬好きの方は、レンタルDVDでも是非!

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ちなみにオジサンを演じた役者さん、終始困った瞳で、でも大らかなえぇ味出してんな~っと感心してたら、ほんとにガソリンスタンドで20年働いていた素人さんですって。

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『美しい人』

~要確認案件~

かつて我がアイルランド人友は言った-「お洒落といえばロンドンっ子さ。フランスなんてみんなダサくて女の子なんてブスばっかり」。お前が言うな!とその時は心の中でツッコミを入れたものですが、いよいよ自分の目で確認しに行かねばと思うようになりました。

今月12日~15日に開かれていた「フランス映画祭2009」。がんばってチャレンジしたオールナイト上映3本立てにて、夢うつつに見た3本目『美しい人』は色んな意味で衝撃的でした。

転校生の美少女をめぐり、イタリア語教師と同級生BFが織り成す三角関係(おいおい、パリの高校ってこんなに風紀乱れてんの?)。

ヒロイン=美しい人(レア・セイドゥ。タランティーノの次回作に出演予定)は、“美女の原石オーラ”がビシビシ出ているのでよしとして、その友人たちがみなタイヘンです。着ているもの、ヘアースタイル、顔(失礼)-どこをとってもキ○イ。わざとなのか個性なのか。設定が高校生だったからなのか。これから社会に出て、お金を稼いで、自分を磨いてどんどんステキになっていくのよ!と、勝手に納得はしましたが、なんか全体的にグシャグシャっとしていてモッサリした印象なんですよね・・・。芸術の都パリ。近い将来チェックしに行こう、と決心しました。I_film02

映画祭HPより

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『シェルタリング・スカイ』

~なぜアナタを放っておいたのか~

10年くらい前から観たい、観たいと思っていたのに。先週DVD屋でなにげに再会するまで、この映画の存在を忘れていた(←ホントに観たかったのかって?)。ベルナルド・ベルトルッチ監督の『シェルタリング・スカイ』。好み!これすごい好み!!

北アフリカを舞台にした米作家ポール・ボウルスの原作を、イタリア人のベルトルッチ監督が撮り上げた男女のドラマ。ワタクシまだまだ若輩なので、この作品の哲学的な部分、男と女の何たるかといった部分を味わい尽くせる境地には達しておりませんが、じわわ~っと大脳辺縁系に染みわたるような香りのする一作。

NYに暮らす作曲家の夫と劇作家の妻。お互いへの失った情熱を取り戻すため、北アフリカを旅しにやってくる。どういう神経なのかこの二人、妻に思いを寄せるリッチな若い男を“回春剤”として(多分ね)同行させている。時代は戦後間もなくの1947年。米国人にとってアフリカが快適な土地であったはずもなく。夫婦は何かに吸い寄せられるよう奥地へ、奥地へと入って行き、過酷な体験をすることになります。

ストーリーもさることながら、映像美(砂漠・月・ラクダ。嗚呼、クールファイブ!←東京砂漠)と音楽が絶品。音楽は『ラストエンペラー』に続きベルトルッチ作品参戦の坂本龍一が担当し、ゴールデン・グローブ賞を受けています。もうさ、高校時代、「ラストエンペラー」と「リトル・ブッダ」のサントラをBGMに仕度して(他にベートーベンと「シンドラーのリスト」サントラをヘビロテ)、テンション上げてから登校していたオイラとしては、垂涎モノでございますよ。

語り部(?)として原作者が出演しているのも面白い。けど、米国人監督では、この繊細さ、虚無感を帯びた雄大さ、エロさは出なかったと思う。こんなオイラの説明で興味を持てた方はハマれるかも。是非。

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『ウォーロード/男たちの誓い』

~投名状~

日本では『ウォーロード/男たちの誓い』というタイトルでG.W.明けに公開されるようですね。「君さえいれば」「ラブソング」(わたくし一番のお気に入りは「月夜の願い」(93年)です)などのラブストーリーで名を馳せたピーター・チャン監督によるアクション大作。大ヒットしたとは聞いていたので、中国出張の時にDVDを何気に買ってありました。そしてそのまま3カ月放置・・・。

ジェット・リー、アンディ・ラウという主演スター2人にあまり興味がないのと、最近中華圏で続く同様の歴史アクション映画に「ピーター・チャンよ、お前もか」という気持ちもありましたもんですから、期待せずに先日やっと再生する気になったのですが、・・・おもしろい。「レッド・クリフ」や「戦場のレクイエム」より血腥さでは数段ウエをいってしまってるんですけども。さすがピーター・チャン。登場人物の感情が絡まり合っていく様の、見せ方が巧みなんですよね。上手くいえませんが。香港の映画賞総ナメも納得です。

この作品の舞台は清朝末期。太平天国の乱の時代に本当にあった話をベースにしているそう。(1973年にティ・ロン主演で撮られた香港映画「刺馬」のリメイクです)なので、ジェット・リーや金城武の剃髪姿が拝めます。←嬉しくない?

これまで、どこか俗世から離れた“戦う僧侶系”のイメージが強かったジェット・リーが(まあ、そもそも少林寺の小坊主さんですからね)、今回はダーティーで良いんです。野心と痴情の果てに、義兄弟の契りを結んだアンディと金城武にあんなコトやこんなコトまでやってしまって、憎たらしいこと!ただ、ストーリーの大事なエレメントに深みを持たせるため欠かせなかった(はずの)ジェット・リーの濡れ場が、中国公開版ではカットされていたことが残念です。←確かに、あんまり見たくはないかも・・・

Photo 興行的には大成功だった同作ですが、監督は「市場のニーズに合わせて仕方なく」撮ったと言ってるようです。そういえば、「女帝 エンペラー」を作った時に、フォン・シャオガン監督も同様のコメントをしてましたね。これからは、やはり自分の撮りたいジャンルに戻るそうなので、嬉しいような、(中国映画界の現状を察すると)哀しいような・・・。

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『エリザベス:ゴールデン・エイジ』

~ひれ伏したい~

今さら、ではありますが、『エリザベス』と『エリザベス:ゴールデン・エイジ』を2本続けてDVD鑑賞。「ヒマなんですか?」とかいう個人メールは受け付けない。

“処女王”ことエリザベス1世については世界史の授業で習ったとおりなんで説明は不要かと。とにかく、主演のケイト・ブランシェットが神々しい!はまりすぎ。劇画的なんだけれど、歴史資料集の「あの人」ではなくって、生身の女のドラマとして良く出来てるな~と思いました。エリザベス1世は生涯夫を持ちませんが、そのへんの寂しさとか欲求不満が高濃度でブレンドされた“イヤ汁”まで崇め奉りたい(←日本語崩壊)。ヨーロッパの歴史に興味のある方は必見です。(それにしても、“エリザベス”と“メアリー”がいっぱい出てくる英国史ってムズカシイ・・・)

DVD エリザベス 【「エリザベス:ゴールデン・エイジ」関連作品キャンペーン】 DVD エリザベス:ゴールデン・エイジ

今週末は『007/カジノ・ロワイヤル』もやっと見たので、英国づくしの2日間でした。(「引きこもりですか?」とかいう個人メールも受け付けない。)もうダニエル・クレイグが、というかダニエル・クレイグの筋肉が素敵過ぎます。今度の水曜日は『007/慰めの報酬』か『ディファイアンス』のどちらを観に行こうか、悩みが一つ増えてしまったbearing

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『レボリューショナリーロード/燃え尽きるまで』

~ある意味、人生の一本?~

ほんとは『チェ』よりも前に観てましたが、なんだか隣家の暗~い秘密をのぞき見してしまったような陰鬱さゆえ、ご報告していなかった『レボリューショナリーロード/燃え尽きるまで』。近ごろ、“一人で人生を完走するには幾らの蓄えdollarが必要か”を本気で考え出したのは、ひょっとしてコイツのせいかも・・・と思い始めたので、記憶をほじくり返して登場させることにした。

巷では「L・ディカプリオとK・ウィンスレットの“タイタニックコンビ”11年ぶりの共演!」って謳い文句で売られましたが、ストーリーはあんなピュアピュアなラブストーリーではありません。

1950年代のアメリカを舞台に、それぞれ夢と希望を持って結婚した若い男女のはなし。「生きてる!」って実感できる“やりがいある仕事”をしたいと思っている夫と、才能がないと分かっていながら、女優になる夢が捨てられない妻。子どもにも恵まれ、郊外に可愛いマイホームも買った。でも、気がつけば夫はつまらない会社の死ぬほどつまらない仕事(と、本人は思っている)に追われ、妻は平凡な専業主婦になっていた。

「退屈な日々を死んだように過ごしている(と、これまた本人らは思っている)ご近所さんと自分たちは違う」。何の疑いも無くそう思っていたのに、気がついたら同じレールに乗っている・・・。その現実を直視した時の絶望感たるや、あなた!(←誰?)映画は後半、主演2人のキリキリ神経が痛むような丁々発止の演技合戦(=夫婦喧嘩だ!)で、「え?!ええ~っ!」なラストへ。

ふ~(汗)。思い出すだけで疲れたsad。おいらの婚期も、これで150年ぐらい後ろへ延びたな。

けど、立場は違えど、誰しもこれに近い感情を抱いた覚えはあるんじゃないかなあ~。そう思える話でした。既婚者でなくても、別のアングルからみて共感できるシーンがたくさん。

まあ、書かなかったのは「あんたディカプリオのファンやろ!」と思われるのがイヤだった、って理由もあるのですが。(最近続いてるし・・・)ここ1年ぐらいで観た映画の中では最も疲労困憊した作品。4時間半のゲバラの生涯観るよりシンドイです。←お尻より心が痛い感じ。

もっと気楽に「おひとり様の覚悟」を決めたい人には、ハンガリー映画『反恋愛主義』がお薦め。本国で大ヒットしたという同作の宣伝コピーは「ハンガリー版セックス・アンド・ザ・シティー」。実際観た感想は、コピーそのまんまなので(略)。

ただ、本家本元では主人公の職業が“セックス・コラムニスト”でしたが、こちらは“演劇の脚本家”である点が興味深い。キャリア女性の職業にも、東欧の文化的香り漂うのはハンガリーならでは。

Mo65091 多分もう上映終了しているので、DVDリリースを待ってどうぞ。

・・・・・長いな、今日のブログ。失敗。。

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『チェ』

~これがカリスマってやつよ~

1日=日曜日、となってしまったら映画ですね。

先月から公開されている『チェ 28歳の革命』と『チェ 39歳 別れの手紙』を2本続けて見てきました。総上映時間は4時間30分。道連れにされたXL氏、お疲れさまでした。

もう説明不要だと思いますが、キューバ革命の英雄チェ・ゲバラの生涯を描いた作品。これまでゲバラにそれほど興味があったわけでもないのですが、湧きました。完璧に。

映画自体は、しっかり歴史的背景やゲバラの生涯を予習していない人にはチンプンカンプンの不親切な作りです。登場人物みんなヒゲで見分け難いし。そのへんの説明を一切排除してゲバラという人にめいっぱいフォーカスしているのかというと、全然そうでもないし・・・。それはそれは客観的。

でもでも。主演のベニチオ・デル・トロが素敵です。伝記映画のなかでは、俳優より本物の方がハンサムという珍しいケースではありますが、佇まいというか、カリスマ性が「チェ・ゲバラってきっとすごく魅力的な人間だったんだわ~」という想像を駆りたてる。デル・トロ最高。だって、映画のあと早速ゲバラ関係の本を買って、「処刑された後の遺体が酷い扱われ方をした」って読んで、本気で悲しくなりましたから。

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しっかり予習して映画館へ!

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『永遠のこどもたち』

~ポスターに騙されると大変なことになります~

中国にいる皆さんはごめんなさい。

日本にいて時間のある方、ぜひぜひ『永遠のこどもたち』を見てsign01(平成21年2度目のおすぎ降臨)

パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督がプロデュースしたスペイン発のダーク・ファンタジー。“ダーク・ファンタジー”ってなんやねん?ってお思いでしょうが、文字どおり、リアルで暗く恐ろしい話を美しいファンタジーに仕立て上げた独特の感じ。

障害児のためのホームを開園するという夢を抱き、夫と7歳の息子とともに新居に引っ越してきた主人公ラウラ。その屋敷は、かつて彼女が育った孤児院なんです。息子シモン君(可愛いっす)というのは実は養子。友達のいない彼は、日頃から“見えない友達”と遊ぶ空想癖をもっているのですが、引っ越してきてからというもの、その“遊び”がなんだかとっても「具体的」になってきて・・・って、どっかで聞いたようなお話だと思うでしょ?ところが、ホントよく出来てますから!

シモン君の失踪、忌まわしい過去・・・ストーリーはけっこー衝撃的な展開をみせていくのですが、生ある者と死者、現実世界における「死」への入り口を、非常にナチュラルに、近しいものとして描いていて、途中思いがけずうるっと泣かされました。うーん、スペインの人ってスピリチュアル~。

ポスターやチラシはこんな感じ↓。

Photo_2 

うん、アートっぽい。

加えてタイトルが「こどもたち」ですから。

「ナルニア国」系のファンタジーを想像して行くと、

ほんとに泣かされます。

けど、とっても良い映画だったのでぜひheart01

ただ、くどいようですが、私的には

ホラー映画に金字塔を打ち立てた『シャイニング』より、よっぽど怖かったです。

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『ワールド・オブ・ライズ』

~“おすぎ”なお姉さんは好きですか?~

早々と実家を引き揚げてきました。

帰宅して真っ先に向かったスポーツジムは、年末年始に貯め込んだ脂肪を燃やそうとガンバル老若男女で満員御礼状態。きっとそのうち、「ジムに通う」を新年の抱負に宣言した人が8割はいたと見る。

せっかく時間がたっぷりあるので、映画を観まくろうと思っていた正月休みでありますが、結局『ワールド・オブ・ライズ』1本で終わってしまいました。残念。

これが、しかし!

「んもう、大人になったディカプリオちゃんが素敵よ~sign03」(←っていうか、もういい歳やから・・・)

思わず、おすぎさん降臨。現場に居合わせた妹がサーッと引いていきました。

いいさ、オイラ満足だから、一人ぼっちでも。

この映画の一番の見どころは、L・ディカプリオの演技巧者ぶりと、ヨルダン総合情報部(GID)のエージェント・ハニの切れ者っぷり(←「お仕えしたい」系のM心くすぐる男前)だと思われるのですが、ストーリーも興味深い!(とってつけたみたい?)

中東の「現場」で働く精悍なディカプリオさんと、安全な米国で指示を出すだけのメタボリックな上司。彼らがGIDと共謀し、欧州で多発する爆発テロのリーダーを追い詰めようとする話です。騙し、騙されの頭脳戦が展開され、映像もキレがあって引き込まれます。

それにしても、この手の作品で一番感心させられるのは、ハリウッドってこんな痛烈な政治風刺モノをよく作るよな~ってこと。国際社会から批判された、CIAによるテロ容疑者の秘密収容所としてGIDが機能していたことは周知の通りですし、メタボ上司=横柄なアメリカの権化として描いている点もあからさま。監督のリドリー・スコットがイギリス出身だからでしょうか?

それでちょっと思い至ったことは、人気ドラマ「24」や、数年前のヒット作『ディープ・インパクト』で黒人大統領を大変好ましいキャラクターとして描いていたこと。オバマさんが登場するずっと前からです。作り手の理想を表現したものなのか、社会の気分を反映させたものなのかは、よく分かりませんけど。日本では滅多にありませんが、米国では授賞式やなんかに、よく映画人が政治的発言をして話題になりますよね。政治への関心の温度差を感じます。

・・・と、いつもより多めに語ってみました。『ワールド・オブ・ライズ』、実は一緒にみた父・母・妹はおすぎ的境地に達することができず、イマふたつだったようなんで、好き好きってことで。(ダメじゃん・・・)

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『英国王給仕人に乾杯!』

~小さいことはよいことだ~

チェコ映画『英国王給仕人に乾杯!』にやられました。オモシロ可笑しく、ほろ苦い。年末年始ヒマな方に熱烈推薦したい一本です。

老いた主人公ヤンが、共産主義体制下のプラハの刑務所を出獄し、ズデーデン地方(※世界史の教科書をご参照あれ)の廃村で若いころを回想するところから話はスタートします。

体の小さい青年ヤンは、「百万長者になってホテル王になる」というでっかい夢を持っていました。駅ホームのソーセージ売り→田舎町のホテルの見習い給仕→ユダヤ人が経営する別荘風ホテル(実は娼館)の使用人→プラハにある高級ホテルの給仕という具合に、ラッキーとアンラッキー紙一重のところで道が開けてどんどん人生のコマを進めていきます(その描き方がとてもとてもユーモラス)。ヤンをいつも導くのは、彼と同じく小さいユダヤ人ヴァルデンさん(ころっころの愛玩動物系おやじ)の言葉‐‐「お前は小さな男。小さな国の人間。それがお前の血だ。それを忘れなければ人生は美しくなる!」

やがて戦争の気配が濃厚になり、チェコはナチス・ドイツの保護領(※スロバキアは保護国となった)となります。そんな頃ヤンは、なんと自分より小さい(ここがポイント)ドイツ人女性と結婚。あげく優生学研究所で“優秀なドイツ人を生産する”ドイツ女たちの給仕人までやっちゃいながら、チェコの近代史を生き抜いていきます。なぜお縄になったのかは、書いてしまうとつまらないので・・・。

描かれている内容自体は結構重苦しいのですけど、とにかくユーモアのセンスが抜群。チェコといえばアニメやマリオネット人形劇が有名ですが、小国ゆえに周辺の強国と時代に翻弄された苦節をこういった娯楽やユーモアで支えてきたのだろうと思われます。同じく小国なのに「大日本帝国」なりと虚勢を張っていた日本とは根本から違ったんですね。

Gallery_5

作品の公式HPより。ちなみに「英国王」はどこにも登場しません。

チェコらしく、劇中、ジョッキになみなみ注がれるビールが幾度となく登場します。それはそれは美味そうです。チェコ人というと、朝から麦汁飲んでるイメージがあるのですが(勝手なイメージすぎます)、2007年の1人当たり年間ビール消費量は145リットルだったそうな。もちろん世界一(しかも15年連続)。ちなみに、日本は49リットルだそうなので、軽く2.9倍の麦汁を流し込んでる計算です。恐るべし・・・。(以上、キリンHD調べ)

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デルタ

先月末に終わった東京フィルメックスで、イ○モツぎゅっと握られた的な印象の残り方をした映画が、クロージング作品の『デルタ』でした。

勝手に第4くらいの故郷だと思っているハンガリーの作品です。

物語の舞台はドナウ川のデルタ地帯。主人公の男性が、理由あって幼少時代に離れたきりだった村に戻り、初対面の妹と出会うところから始まります。そしてこの兄妹は川の真ん中に手作りの小屋を建て、一緒に暮らそうとするのですが、村の人々は2人の関係を疑って白い目でみるようになります。

人里離れたデルタの村。しかも、川の中で暮らそうってんですから、食べる物は自然、お魚さんになるわけで。主人公は川に網をしかけます。うりゃ!っと引き揚げてみると、気持ち悪いくらいの数の川魚が!(ドナウ・デルタは野鳥とお魚の楽園♪)そして、正しい田舎の暮らし方として、この兄妹も“おすそわけ”を実践します。村人たちを食事に招待し、焼き魚、パン、酒を振舞うのですが、状況は悲劇的な方向に・・・。と、ざっくりこんなストーリー。

今のところ日本公開の情報はないようですが、いつかやって欲しいという希望も込めて、内容を詳しくは申しません。けれど、人間の本能とか、野生とか、業とか、色んな凄まじいものを突きつけられるような作品でした。もう、後から出来たモラルとか倫理観は全然気にならない。

「近親相姦ですが、なにか?」

主人公らのそんな声が聞こえてくるようです。(←きません)

(当たり障りのない)印象的なシーンを挙げると、集った村人達の食べ汚さったら気持ちいいくらい!パンを「ただの物体」のようにひきちぎり、ばさーっ、ばさーっっ!と酒(たぶんウォッカ系)をふりかけて貪り喰う。中国映画でも、内陸の生活を描いた作品では随分とお上品でない描かれ方をしていますが、これほど嫌悪感を抱かせる食事シーンは記憶にないかも・・・。

まあ、兎にも角にも良い映画に違いないと思うので、どこかに配給して欲しいです!!

・・・あれ?そういえば。

ドナウ・デルタって、ハンガリーではなくてルーマニアと違ったっけ?NHK「世界遺産」に聞いてみたら、やっぱりそう言っている(→LINK)。でも、監督も出演者もハンガリーの人やし、言葉もマジャール語だった気がするし・・・。

ここへきて、根本的な疑問が沸いた。

この映画。いったい、どんな背景設定なんすか??

ご存知の方、おられましたら教えてください。。。

Cimg0278 オマケで、ドナウ・デルタを遡るとたどり着く“ドナウの真珠”ブダペスト。2度目のハンガリー旅行よりhorse

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個人的には純情きらり。

11月30日に閉幕した東京フィルメックスですが、先週28日に寺島進さん×西島秀俊さんのトークイベントを取材させていただきました。

そんなに邦画は詳しくないので、寺島さん=ファブリーズ。西島さんも『Dolls』と『海でのはなし。』くらいしか見てないので、頭の中では北京で毎朝欠かさチェックしていた(日本でこれやってる勤め人ってあまりおらんよ。時差1時間万歳)「純情きらり」のテーマ曲が絶えず流れていたのでありました。そんなんでごめんなさい・・・。

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ひとつお勉強になりました

「紅葉見ながら温泉入るなら今しかないだろッ!」ってな具合のこないだの3連休in行楽シーズン。前回も書いたとおり、喜々として東京フィルメックスにて無償奉仕に勤しんでおった私。

映画祭HPにいくつか署名記事をUPupしていただきました。リンク張っちゃえ。

  →仏映画『いつか分かるだろう』Q&A                                  

  →蔵原惟繕特集より

大女優ジャンヌ・モロー主演の『いつか分かるだろう』は、まるぱんだ興味深深のホロコーストがテーマなので(変な風に誤解なきよう)、立候補してシフトに入れていただきました。

第二次大戦中のユダヤ人迫害といえば、ドイツや東欧を中心に展開された悲劇というイメージがあります。当時のフランス政府との関わり、戦後フランスにおける歴史認識という点については、この度の取材でようやっとクリアになった次第。(そもそも、フランス本国でも80年代に行われたクラウス・バルビー裁判によって広く語られるようになった事実だそう)

世界や異文化への窓となってくれる、映画ってのはよいものですねdiamondそこが、私が洋画に比べて邦画をあまり見ない原因でもあります。

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東京フィルメックス

第9回東京フィルメックスが22日から開催されています。

ボランティアで取材記事を書いているので、暇でひまで仕方のない方は見てね。

      

http://filmex.net/mt/dailynews_2008/

コンセプトのはっきりした、素敵な映画祭だと思います。

小粒ながら興味そそられる作品がずらり。

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ちょうわるおやじ

このところ家では寝るだけの毎日で、一日の大半を職場と通勤電車の中で過ごしていました。終電に乗り込み、向かいに座っていたジャンボな壮年サラリーマンが、無呼吸症候群でヒイヒイ言いながら居眠りしている姿を見て、無性に切なくなったのであります。なんで皆こんなに疲れた顔をしているのでしょうか・・・。日本の電車の雰囲気って異様やで、ほんま。

で、無理やりですけど、疲れ知らずのおじさんの映画のお話を。

先月の東京国際映画祭で、個人的に一番ヒットだったのが仏映画の「パブリック・エナミー・ナンバー1」。Part1&2の2本立て上映で、休憩を挟んで4時間強という長丁場でしたが、まったく中だるみのない面白さ。強盗、殺人、誘拐を繰り返し、2度の脱獄までやってのけた有名な凶悪犯罪者ジャック・メスリーヌ(=疲れ知らずのおじさんで賞)の生涯を描いた作品で、本国でもPart2の方は来年公開だそう。それを一挙に見られただけでお得感満載です。

この映画で、メスリーヌが何度目かの服役中に、長いこと会ってなかった娘(悪事を働きながら世界中飛び回っていたため・・・)と面会するシーンが印象に残りまして。大きくなった娘を前に、嬉しさと後ろめたさがごちゃ混ぜになった表情で、「美人だな」って言いながらウインクするんですが、「あ、お国柄やな~」とその後いろいろ考えたのです。

恐らく主演のヴァンサン・カッセルのアドリブかなにかで、ごく自然な演技だったのでしょうけど、日本のお父さんが年頃の娘に同じことしたら「おやじ、キモッ」って嫌われて終わりですよ。ちょいわるおやじオーラ満開のヴァンサン・カッセル(ここでは「超」悪い親父ですが)がやるから様になるのかもしれませんが、父親が成長した娘を自然に女として見て尊重する、って日本人にはできない芸当ではございませんか?

電車の中で、薄ら笑いを浮かべながらマンガやグラビアページに没頭する成人男性を眺めつつ、「ここは幼女か若い女しか歓迎されない社会なのだ」と、ひっそり拳を握り締め、これからの人生ひとり逞しく生きていく覚悟を決める今日この頃であります。

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2008年 フランス
よきテンションの映画でした。

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タイワンだもの。

ファーストデイで連休初日だった昨日、公開初日の「レッドクリフPart1」にも行ってきました。めでたい。“はしご映画”しあわせ(◎´∀`)ノ

有楽町の初回上映に参りましたが、休日の朝だってのに切符売り場が長蛇の列!映画を観るのために、あんなに並んだことはありません。エイベックスの力でしょうか。宣伝、力入ってたもんね。

中国留学してたくせに、三国志は子どもの頃見たアニメ三国志と世界史で習った程度の基本情報しか頭に入っていませんが、私は大満足でした。三国志ファンには納得がいかないかもしれませんが、映画=作り物だからいいんだもんheart02

これでもかっ!のスローモーション多用に、絶対あり得ないアクションの連続、そして白いハト。京劇だったら「好(ハオ)っ!」の掛け声が飛ぶこと間違いなしのジョン・ウー的世界を堪能。

ジョン・ウーいわく「キャラクターと近い気質の俳優を選んだ」だけあり、趙薇のじゃじゃ娘っぷりや張震の優柔不断な孫権など、脇役まで従来どおりのイメージから外れないキャスティング。言い換えるとすべて“想定内”のできなんだけど、それがいいんです!「待ってましたっ!」っていう感じで。

とりわけ、大陸アクターでは一番好きな張豊毅が曹操なんて!はまり過ぎてて面白くないくらいっ!ちなみに、「さらばわが愛 覇王別姫」であのレスリー・チャンを虜にしたこの人ね。Images

左ひだり!素顔は「レッドクリフ」で!

ところで、観客レビュー等で「金城武は吹き替え。日本語も中国語も中途半端なんて、俳優としてどうなの?」って意見を多くみかけるのですが・・・。

出生地は「タイワンだもの」。相田みつお風に反論してあげたくなります。

台湾訛りの孔明は変だからなんであって、別に中国語ができないわけではないのにね~。広東語ネイティブのトニー・レオンだって吹き替えなのにね~。ちなみに、金城武の吹き替えは、「LOVERS」であてたのと同じ声優さんだそうです。確かに声質が似てますね。ちょっと金城武が必死に普通話の発音をトレーニングでもしたのかと思いました。

今さっきまで、日曜洋画劇場で「レッドクリフ」公開にあわせて「ブロークンアロー」をやっていました。主演のトラボルタは、ジョン・ウーを崇拝するクエンティン・タランティーノから「ジョン・ウー作品に出ると、みんなカッコよく撮ってもらえるんだぜ!」と勧められて出演を決めたそうな。・・・んでもって、タバコの吸い方まで「男たちの挽歌」のチョウ・ユンファを参考にした結果、こんな感じに(注:これも左ね)。↓

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うーん、雰囲気は出てるけど・・・。

    本家のインパクトには及びませぬ。→2455219016

                         

                                                             札が燃えてる、札が!

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ミュージカルが観たい!

名作ミュージカル「コーラスライン」再演のオーデションに挑むダンサーたちを追ったドキュメント「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」。初演当時の映像や録音テープをところどころに盛り込みながら、この作品にかける人々の情熱をひしひしと伝える素敵な映画でした。

19のキャストをめぐって、8ヶ月にわたるオーデションが行われる。応募者数はなんと3000人!そんな超超難関に全力でぶつかっていくダンサーたちの清々しい姿に、一律1000円サービスデーで完全満席の客席からどれほどの啜り泣きが聞こえたことか!ほんと、「夢を追ってがんばる」ってこういうことなんだ、と思わされる。

オーデション会場から出て、NYの街に消えていくあまりにフツーの青年の後ろ姿が妙に印象に残りました。あの街を歩く人々それぞれに努力と希望が詰まった物語があるのかも、と想像させられるというか・・・。近いうちにまたNYでミュージカル観たくなりました。個人的には、「コーラスライン」よりハイレグお姐さんが迫力満点で歌い踊る「シカゴ」の方が好みなんですが・・・。また観たいなnotes

なみに、05年秋にブロードウェイで「シカゴ」を観た時、ちょうどブルック・シールズが主役ロキシーを演じていました。最近スクリーンで見ないと思ったら、舞台にも活動の場を広げていたんですね。

そうそう、「ブロードウェイ♪ブロードウェイ」には、高良結香さんという日本人の方が出てらっしゃいます。いままで知らなかったけど、ダンサーとして海外でやるには身体的ハンディがあるだろうに、それを超えて頑張る日本人がここにも一人!来年、日本にも「コーラスライン」が巡演してくるらしいです。

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フォン・シャオガンin東京国際映画祭

第21回東京国際映画祭にて、特別招待作品として上映されたフォン・シャオガン監督の「戦場のレクイエム」(原題:集結号)を観てきました。

国共内戦を背景に、全滅した部隊で一人生き残った指揮官が、失踪扱いにされた部下たちの栄誉を取り戻すという、実話を基にしたストーリー。

中国ではフォン・シャオガン=正月映画というイメージですが、同作も昨年末に本国で公開されて大ヒットしました。また、「女帝〔エンペラー〕」(この邦題すごい違和感。原題「夜宴」の方がええ)を除き、すべてコメディーを撮ってきた監督としては、もちろん初の戦争映画です。舞台挨拶で本人が言ってましたが、ジェンル問わず彼の作品は必ずヒットするという、もうある意味立派な“ブランド”ができてるんですね。っつーか、そこ自分で言っちゃうとこがステキです。

韓国映画「ブラザーフッド」のスタッフが参加したというだけあって、戦闘シーンが非常にリアル。こんな作品も撮れるのかと、フォン・シャオガンのストライクゾーンの広さに感心してしまい、結構エグい映像ながらかぶりついて見ちゃいました。内戦後となるストーリー後半は、急にテンションが変り“ひと昔前のお涙頂戴(中国)国産テレビ映画”みたくなっちゃうのは残念ですが、ところ変れば感動のツボも違うってことで、まあ・・・。けど、随所にコメディーが得意な監督らしい掛け合いが出てきて、ニヤッとさせられます。

中国映画の大ヒット作にしては珍しく、大スターが出てない同作。監督は「我就是明星(俺がスターだ)」って豪語してましたが、実はいま最も人気があると言われる若手注目株が出演しています。

ジャーン!

Photo_2 

えっ、芸能人・・・?

右の彼ですからね、右の!(ちなみに左はドラマ「大地の子」で上川隆也演じる陸一心の奥さんを演った蒋文麗さん)

最近すっごい露出している人気者らしいです。王宝強さんといって、やはりフォン・シャオガン監督の「イノセント・ワールド-天下無賊-」で注目された俳優さん。雰囲気から察しがつきますが、農村出身の苦労人で、エキストラの応募で並んでいたところを見出されたらしいです。そう、彼の売りはズバリ素朴な農民キャラ。しっかし中国で財を成した農村出身者が“エゲツナイこと”に変貌するのを見聞きしてきたので、彼の笑顔のウラに黒いモノが潜んでいないことを願うばかり・・・。

ちなみに四川大地震では彼、「(貧困の辛さが分かる農村出身のくせに)募金額が少ないぞ!」とバッシングを受けたらしい。下世話ですね。えーじゃないか!お金のありがたみを知ってるんやから、そんな太っ腹には放出できへんがな、ジャッキー・チェンじゃあるまいし・・・。

それにしても中国って、日本の人気タレントレベルなら街中にウヨウヨいる美女の宝庫。テレビドラマでも主役からエキストラまで見目美しい女優が揃っていたりするのですが、俳優となると、それはそれはフツーの外見の男性が多いんですね。

中国在住の友人A子嬢によると、いま一番ホットなのは彼だそうだ。↓

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ワーオ!

嫌いじゃないけど。

佟大為さんっていって、テレビドラマで人気沸騰!私は07年6月まで中国におりましたが、既にかなり人気者でした。(※コーション!:位置づけとしてはアイドル的扱いですから)

中国って懐が深いよなあ・・・。雑誌で「注目のイケメン特集」がうけ、ルックスだけの若者が主役を張れる日本が薄っぺらく思えてきた。

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「幸福が現実になるのは、それを誰かと分かち合った時だ」

ぐっときた言葉だわ、久々に。きっとワタクシ自身、この言葉を簡単に実現できるタイプの人間ではないからかな。

Intothe 大好きなショーン・ペンが監督・脚本を手がけた『イントゥ・ザ・ワイルド』をみる。正直「あんまり理解できない作品かも」と斜に構えて行ってたところがあったんですが、フタを開けてみたら結構ストライクで吃驚!自分で。

1992年にアラスカで孤独な最期を遂げたクリス・マッカンドレス。裕福な家庭に育ち、優秀な成績で大学を卒業。エリートコースを約束された青年が、すべてを捨てて2年間におよぶ放浪の旅を続けた末に迎えたのは、「餓死」という悲惨な結末だった。

ジャーナリストのジョン・クラカリーによる原作『荒野へ』の映画化です。なぜ?このニュースが全米で話題になったとき、同情や悲しみより、人々はこう疑問に(しかもネガティブな方向の)、或いは呆れに似た感覚すら覚えたんではないかと思う。っていうか、私そう思ってしまいました。「恐れを知らぬ未熟な若造が・・・」って(←何様やねん)。

しかししかし、この映画で主人公は本当にキレイな目をしているんです。クレバーで強く、優しく、変ってるけど色んな人に好かれる魅力。まだまだ未熟だったかもしれないけど、死んでしまったのは非常に惜しい!そう映像の力で思わせてしまうのはすごいと思う。主演のエミール・ハーシュがきらっと光る瞬間をショーン・ペンはとてもよく捉えていて、改めてショーン・ペン、リスペクトっす!

タイトルに書いた言葉は、物質も嘘だらけの社会も、関係の壊れた家族も否定して、体ひとつで「自然を愛す」と荒野に飛び込んだ彼が、人生の最後に記した言葉。完全な自由を目指して辿り着いたアラスカの地だったけど、捜し求めた“真実”ってのは何だったんだろう。いきなりジャブくらった感じに、切なくなる作品でした。けど激しくお薦めしたいと思います。

それにしてもエミール・ハーシュって、眉を寄せ気味に振り返った時の顔が、“タイタニック後・ブラッドダイヤモンド前”のレオナルド・ディカプリオそっくり!密かなレオ様好きには今後が楽しみだヮ。『スピード・レーサー』出演歴が残念・・・。

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毒出し

夏休みにデトックス合宿へ行ってきました。身体はちょっとすっきりしたのですが、中身の毒はど~も抜け切ってない気がして排泄先を探しておりましたら・・・ありましたheart01

六本木で公開初日の『セックス・アンド・ザ・シティ』を観てしまいました。ほんとは台湾映画を観に行ったんですが、ちょっとばかり迷子になって劇場間違えちゃったsweat02すると、おやまあ、どうでしょう。土曜の朝だというのに勝負服姿の女子でいっぱい。「雪駄履いたワタシ、浮いてる?浮いてる?」と、思わず守護霊か何かと対話しそうになりました。

お一人様やカップルより、女同士のグループが多いこと多いこと!しかも4人組だったりして笑えます(失礼)。

「小雨ぱらつくロッポンギ。

キャリーじゃなくて、アン・ルイス」

キャリー、サマンサ、シャーロット、ミランダに何となくなったつもりでいる女性たちを尻目に、心の中で一句詠んでみたりして(←アホ)。毒出し、毒出し。

ファッション好き、っていうより、ライフスタイルに憧れるファンが多いんでしょうね、日本の場合。中国でもホワイトカラーの女性の間で、デリバリーの料理とワインを片手に『SATC』のDVDを鑑賞しながらラブライフを語り合う、というスタイルが流行ったって聞いたことあるけど(ホンマかいな)。東洋人は2コの膝頭くっつけて、もっとしっとり行こうぜ!(←アホ2回目)

肝心の映画の方は、個人的にはTVドラマのスペシャル版の域は出ないかな、と思うのですが、別の意味でとってもハード且つリアルでした。皺の一本一本が大写しにされるアップの泣きのシーンとか、50歳のバースデイパーティーとか(自分達のこと「girl」って言ってますけど・・・・。ま、それはそれで素晴らしい)。「長い長い間、人気を持続させた凄いドラマなんだな」って変に感心したりして。

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コーラを飲む口元がちょっとエロっちいサラ・ジェシカ・パーカーさん。映画の宣伝も意識してたりする?

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頤和園

邦題は『天安門、恋人たち』ですが、原題の『頤和園』の方がしっくりくるし、作品のポイントを押さえるものになっていると思います。

複雑で、「自分は他の子とは違うのよ」(と思っている)オーラをがんがん出しているヒロインが、北京の大学で理想の人と出会って恋をする。離れられなくなるのが怖いほど。そしてはたから見ればイラッとくるような馬鹿な言動をとって自分から離れていく。そして天安門事件が起こり、別々の道を歩み・・・。平たく言ってしまえば、そんな2人の10年の軌跡を語る映画です。

このヒロイン、気性が激しいというか、欲望(物質欲というより性欲)が強いというか。でも、こうありたいと思う自分と現実の自分が全く違うような気がして、いつも悩みもがいている女性なんです。自分から手放したのに、10年にわたりずっと彼のことを渇望し続けている。(すんごい澱たまってます。)劇中、ヒロインが日記に「幻想・・・それが致命的」と書いているように、彼女にとってこの理想の人は、とりついて離れない幻想なんだという気がします。その証拠にこの男性は、見栄えが良くて、優しくて、でも特に何てとり得があって成功したようには描かれてないんですから、「幻想の男」にぴったりでしょう。

この彼を演じている郭暁冬という俳優さん。地味ですが、どっかで見たな~と思っていたら、中国のテレビドラマ「新結婚時代」で劉若英(『天下無双』、Kiroroのカバーで有名な台湾歌手)の夫役を演じた人でした。北京で働いていた頃、はまりました。私のまわりの中国人友(一部ジャパニーズ含む)もはまっていました。日本でよくある嫁姑バトルの話ではなく、都市のホワイトカラー家庭で育った妻と、農村出身だけど苦労して北京で成功しようと頑張る夫を中心に展開するドラマで、現代中国がかかえる経済格差や価値観の問題に真っ向焦点を当てた力作でした。そこで苦労人の夫・何建国を演じていたのが郭暁冬だったので、映画館で気付いた時は「建国(ジェングオ~)」と叫びたくなったのであります。だって、ドラマでも気の強い嫁に振り回されても、いい夫やってたんで。今月の「理想の人賞」はあんたに決まり!ってところです。

Photo

ほれ、いい人そうでしょ?

写真にもそう書いたあるし。

ロウ・イエ監督作では、『ふたりの人魚』(原題:蘇州河)もオススメ!

ふたりの人魚 ふたりの人魚

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あっ!あんたは!!

暑い日が続きます。こんな時は映画館に行くか、DVD観るか、ジムに行くかです。すべて一人で完結できる活動ばかりだ・・・。しかも最寄駅まで歩く5分間に浴びる紫外線も恨めしく、北京時代みたくバブリーにタクシー使いたいな、なんてノスタルジーを覚える(使い方間違ってる)、そんな30歳一歩手前。

ムカシを懐かしむには別の理由もありまして。

北京での就活中、時間だけは多分にあった私は、福建省へ半ば拉致られて、というか、むしろうっかりついて行って『台湾往事』という中国映画に出たことがあります。その作品で助監督をされていた細野さん(北京電影学院留学中)から、新しく撮られた短編のDVDが送られてきたのです。2カ月間の福建生活が懐かしい(これについては秋頃、訳あってご紹介の予定)。紫外線だってイヤじゃなかったあの頃。みなさん今も頑張ってはるんやなあ・・・。

そんな感慨に浸ったこの週末。渋谷で入った『天安門、恋人たち』で、偶然また福建生活を思い出させる懐かしい顔に遭遇。映画の冒頭。ヒロインの故郷での恋人として登場したのはツゥイ・リンさんじゃありませんか!ワン・シャオシュアイ監督の『17歳の自転車』で第51回ベルリン映画祭新人賞を獲ったのに、以後あまりぱっとせず、『台湾往事』ではやる気がなかったのか何なのか、日本統治下の台湾人という設定にもかかわらず、練習不足のため変すぎる日本語のセリフを連発していたツゥイ・リンさん。ちゃんと活躍してるんですね!また、ロウ・イエ監督作品ということで、「押さえるところは押さえてる」感が、お姉さんにはうれしかです。

ってことで『天安門、恋人たち』ですが(←結局、これが紹介したかった)、長くなったのでおやつの後!ほかにも懐かしくなっちゃう顔が!北京五輪まで一週間きりました!!(←関係ないって)

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敵こそ、我が友

2週間ぶりの休日でございます。嬉しいです。興奮して早起きしてしまいました。

忙しいといいつつ、気分転換に先週駆け込んで観たのが『敵こそ、我が友~戦犯クラウス・バルビーの3つの人生~』。ナチス残党が戦後歩んだ驚きの人生のドキュメンタリーです。

仏リヨンでゲシュタポの責任者となり、“リヨンの虐殺者”と呼ばれたクラウス・バルビー。戦後、この仏政府の戦犯が持つ「拷問のスキル」と「ソ連情報網」を必要とした米軍は、バルビーを南米に逃がして対ソ戦略に利用する。国家や政府って何なのか?人を幸せにするために存在するものではないのか?バルビーに残忍な拷問を行わせたのも、またそんなバルビーを裁いたのも、国家や政府ではないのか?ちょうどお役所との仕事で辟易していた気分も手伝って、観終わった後にそんな思いが湧いてくる1本でした。

『アンネの日記』に始まり、「シンドラーのリスト」の舞台を見にポーランドまで行った私。恐らく同年代の日本人よりホロコーストへの関心が高い(だからどーした)と思うのですが、南米でナチスの残党が大勢暗躍していたという事実を描いた作品というのは、これまであまり聞いたことがありませんでした。時代の流れなのでしょうか。

たった一つの国の一つの政党が、一つの民族を根絶しようとする狂気にとり憑かれてヨーロッパ全体を恐怖に落としいれただけでなく、さらに海を渡って戦後の世界にも大きな影響力を持っていたとは。その事実にぞっとします。

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理屈はあと

とりあえず好みheart01です。理屈はあとです。

暴力的だとか何とかは、あんた暗いよ変態だよとかはひとまず置いといて。どんより曇ったロンドンの空と東欧の香り。食べる、タバコ、飲む、タバコ、笑う、暴れる。西欧や米国舞台の作品からはにおってこない人間臭さ。惹かれるものは仕方ない。

世界中で活動するロシアン・マフィア。『イースタン・プロミス』は、彼らがロンドンで奴隷のように女性を扱う人身売買の実態を絡めたバイオレンス映画で、目を覆いたくなるようなシーンが満載(サウナでの全裸ファイト含む)。けど、登場人物それぞれの“生き場所”を求めるドラマだったり、いっそ現代ロシアの犯罪組織について調べたくなるとっかかりにしてしまえる、奥深い映画(個人的にそう思ってるだけ?)なのです。

しっかし何と言っても主演のヴィゴ・モーテンセンがカッコいい!『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の勇者アラゴルンも素敵でしたが、今回はほんとロシアン・マフィアに見える(←賞賛してます)!鎧よりアルマーニだ!ご本人はデンマーク人と米国人の混血で、幼少期より世界各国転々とされたそうな。経験した文化の多様性というのは、人に深みと魅力を与えるものなのだなあと思いました。

↓この人。ちなみに、『イースタン・プロミス』の監督作。

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白い○○ーフ姿に脱帽

 ジョン・レノンを殺した男、マーク・チャップマン本人の告白を基に、凶行に至るまでの3日間を描いた『チャプター27』のDVDを借りました。新作料金でした。結論、ちょっと後悔しました。

 

 チャップマンの行動や感情が彼の視点から克明に綴られるのですが、到底理解できる男ではありません。「自己チュー」なんてレベルではなく異常で、犯人が主人公の映画だなんて、遺族にとってはいたたまれまいと胸が痛くなります。特に車のCMでショーン・レノンを見た時なんかに。

なぜ観客を不快にし得る映画を作ったのか。そんな戸惑いの一方で、ジョン・レノンの死の理由を問いたいと願う人々が今なお世界中に大勢いること、理解できない事件への怒りを、改めて突きつけた映画という見方もできるのかな、とは思います。

 最大の見どころは、主演ジャレット・レトの変身ぶりでしょう。30キロも増量し、メタボリックなぽっこりお腹に白いブリーフ一丁で背中を丸めてベッドに腰掛ける姿は、どこから見ても冴えなくて(というか、電車で隣に座られるとちょっとイヤ)美形俳優の面影なし。中学生か高校生だった頃、NHK教育で放送されていたTVシリーズ「アンジェラ15歳の日々」で、クレア・デインズも憧れる学園一のモテ男を演じていた彼を、“なんでこんな革ジャン着た濃ゆい高校生がモテんねん”と毎回罵っていましたが、誤りたくなりました。あっぱれ(サンデーモーニングの大沢親分風で願ふ)。

チャプター27 DVD チャプター27

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救いがない

先週末、なか12時間で連続殺人映画を2本みる。招待券をいただいたからであって、決して個人的趣味ではありません。

まずは公開から随分経っておりますが(というか、今は終わってる?)、やっと『ノーカントリー』を鑑賞しました。オカッパヘアの異様な風貌をした殺人鬼が、家畜用スタンガンで凶行を繰り返す話。スペイン人俳優のハビエル・バルデム(ほんとはカッコいい)が怪演。おあと1本は、15年前はボディーガードだったケビン・コスナーが“完璧な殺人鬼”を演じる『Mr.ブルックス』でした。う~ん、嫌な漢字が並んで美しくないですね。

2作とも、救いがない、という点で共通していましたshock。が、殺人を繰り返す理由を、「依存症だから」で捨て置いてしまったブルックス氏と比べ、『ノーカントリー』の方にはも少し考えさせられるものがあり、コーエン兄弟のちょっとファンになりそうな予感です。

邦題からはまったく映画の内容が推測できませんが、原題は『NO COUNTRY FOR OLD MEN』というそうな。ここでいうカントリーが具体的に物語の舞台であるテキサスを指すのか、もっと抽象的な意味で使われているのか分かりません。OLD MENの方は、缶コーヒーCMのおっちゃん、トミー・リー・jジョーンズ演じる昔気質な保安官らを指すのかなと思われます。まったく彼らの常識を超えた犯罪や暴力が蔓延する今の時代にゃついて行けない。けど、若いもんには負けない。そんな自信が自然に滲むいぶし銀のオヤジオーラが素敵です。

常識といえば。先週の新聞で、作家の松井今朝子さんが、「常識」の原語COMMON SENSEは直訳すると「共有感覚」といえる、と書いておられました。

辞書でひくと、経験から身についた常識的な判断力、と出ます。たとえ同じ国で暮らしていても、周囲の環境によって、見て、聞いて、経験するものが変わる。その変化が速いほど、同じ感覚(≧常識)を共有できる人が少なくなっていく。そして、常識の枠が変わったら、守られるルールも変質するわけです。嘆くな保安官、世の中理解不能なことだらけで当然だ!とトミーさんの肩を叩きたくなったのであります。

『ノーカントリー』が恐ろしいのは、殺人者がゆるぎない彼自身のルールに従って生き続けていること。その理由は明かされません。

「私を殺す必要はないわ」

「皆そう言う」

彼は、守られるために存在するはずのルール通り、手を下しているのです。

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『そして、ひと粒のひかり』

ごんたさん(=妹)がDVDを借りてきたので、何気なくみたら良かった~。

南米コロンビアといえば、犯罪発生率の高さや麻薬栽培といった非常によろしくないイメージが強い国。主人公はそこで、別段好きでもない男の子どもを妊娠し、花農園の仕事も上司と折があわずに辞めてしまい、かといって家の経済状況は大変厳しく、ふつふつ、イライラしている17歳の女の子です。彼女の反面教師は、同居しているシングルマザーの姉。姉から稼げなくなったことを責められたこともあって、軽い気持ちで麻薬の運び屋を引き受けてしまうんです。

テーマはとっても重いです。しかも、麻薬をゴム袋に詰めて飲むシーンや、目的地のニューヨークへ向かう機内で体の不快感に耐え苦しむ様子、飲んだ麻薬をすべて排泄できずに悲惨な目に遭う仲間の様子、等々、かなりリアルに描かれます。

ばらしてしまうと、最後に主人公は新しい生命の尊さに目覚め、米国にとどまって出産する道を選ぶ(推測)のですが、そのあたりの描写が非常にすがすがしいです。冷静に考えれば、故郷を捨てることであり、そもそも危険なルートを使ってやってきたのだから、そう簡単に事が運ぶとは思えません。が、しかし、人間どこからでもやり直せるんだ(反対にいつ何のきっかけで転落するか分からない)と元気が湧いてきます。

ニューヨークにはバラ色の未来が待っている、っていう印象をやたら与える点はちょっとひっかかりますが、確かに、あの街からは色んな国から希望を抱いてやって来た人々が頑張っているというエネルギーが感じられますよね。

そして、ひと粒のひかり

映画関連でもうひとつ。

チャン・イーモウの『~黄金甲』がもうじき公開です。邦題は『王妃の紋章』sweat02セールス・ポイントとしてコン・リーをメインに打ち出しているのでしょうね。日本だと周傑倫の知名度はもうひとつだし。それにしても、もうちょっと何とかならなかったのでしょうか、邦題・・・。

そういえば、ほしのあきさんが例の爆乳コスチュームを着て、PRに一役買っておられました。 中国では公開当時、豊胸下着や豊胸手術に関心を持つ女子が増えたらしく、医療関係者が「あの衣装は内臓を締め付けるから良くない」って大真面目にコメントしてた記憶があります。

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壁の色が気になった映画

また随分前の話ですが、ルーマニア映画『4ヵ月、3週と2日』を見ました。

中絶手術が違法だった1980年代のルーマニアで、妊娠したルームメイトを助けようと奔走する女子大生が主人公。この妊娠した友達っていうのが、あまりにも甘ったれた無責任な女子なので、なぜ避妊しなかったんだい、と感想をまとめてしまうと話が終わってしまいますが、別のところで気になることがありました。

主人公が暮らす大学の女子寮が、中国の学生寮の感じと非常に近い。廊下の片側にいくつも部屋のドアが並び、もう片側には共同の洗面所やシャワー室(仕切りのみ、ドアなし)がある。壁は、下の方がくすんだ薄いソラマメみたいな色で、上部分は白い。まさに中国でお馴染みの配色です。昨年見たロシア映画『この道は母へとつづく』の孤児院もこの色でした。社会主義国において、このソラマメ×白には、何か意味があるのでしょうか?

この道は母へとつづく (ランダムハウス講談社 ロ 2-1)

ちなみに、当時ルーマニアが中絶を禁止していたのは、宗教的な理由ではなく、富国政策の一環として、人口増大を目標としていたからだそうです。

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ブルーベリーをいただく

ブルーベリーをいただく
公開初日の『マイ・ブルーベリー・ナイツ』をみる。

王家衛監督が米国、しかも全編英語で撮った作品ということで公開前から話題になりましたが、ふたを開けるとやっぱり王家衛でした。映像の雰囲気とか。NYなのに、香港のように湿度高そうにみえるところが不思議です。

しかし、これまでと異なりさっぱり素直なストーリー展開で非常に楽しく見れました(これまでが面白くなかったってわけではない)。あんまり米国映画に「彼に振られて・・・」で最後まで引っ張る展開ってないような気がしますが(アジア的なのでしょうか?)、それが新鮮だったりしました。

ノラ・ジョーンズが可愛いです。監督、ええ娘に目ぇつけましたな。それから、今までどうしても頭部が残念だという印象しかなかったジュード・ロウが素敵でした。チャン・チェンと雰囲気が似ている気がするのですが(特に生え際)、監督の好みでしょうか(とりわけ頭部)←しつこい。あんな気のいいカフェの兄ちゃんいたら通います。ブルーベリーパイが不味くたって。

で、映画をみたら無性にブルーベリーパイが食べたくなり、自宅で“なんちゃって”を作って食す。パイ系は普段ほとんど食べませんが、単純ですみませんcafe。肝心のパイがアップルパイだったりするのですが、ブルーベリージャムをのっけたら差不多のものができました。

食べたいもの、とか、好きな食べ物になるかどうかって、その食品と対峙したときの環境や心情に左右されませんか?わたくしは結構、あまり好きでないモノでも、旅先なんかであちらから勝手に登場したもの(チョコミントやラムレーズンのアイス、タロイモ等)は、意思に反してスペシャルな存在になってしまっていることが多いです。

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ちょっとの加齢臭と・・・

なんだかにおうタイトルですが、『ラスト、コーション』(原題『色・戒』)みたよ、という話です。もう二週間前の話だけれども。

えろいえろい、そればっかりやたらと話題に上っていた気がする同作。東京マラソンが行われた休日の日比谷(シャンテシネ、いつも良い映画かけますねgood)。朝イチの上映にもかかわらず(というか、むしろ朝イチだったから?)、壮年男性の異様な熱気が充満していました。章光101っぽい変った香り全開の2時間半。

それはおいといて。中国でも張愛玲原作のテレビドラマや映画をいくつか見ましたが、登場人物に「こんな友達いたら面倒かも」というタイプが多い気がします。分かりやすい善悪の区別がない、というのでしょうか。言い方を変えれば、非常に現実的な人間描写だと思います。

「ラスト、コーション」も、憎き“売国奴”トニー・レオンと、女スパイのタン・ウェイが、社会的な善悪かなんて途中から分からなくなって「戒」を忘れ「色」にのめり込んでいく話。愛国心に燃えるヒロインったって、結局スパイはスパイやもんな。また、最終的にタン・ウェイに起こった悲劇も、そもそもワン・リーホンの青い青いヒーロイズムが元凶だと思えますし。敵との許されざる愛、なんてすぱっと片付けられる分かり易いテーマではないですよね。

話題のえろいシーンもそんなにえろくないですよ。ぽこっと大胆にボカシ入ってたからかなあ(港台版や中国本土で売られている海賊版DVDなんかではボカシ入ってないんですか?知ってる方教えてくださいeye)。一番エロティックだったのはシーンそのものよりタン・ウェイの黒々したワキ毛だと思いますが・・・。中華圏の人々にとっては、原作が張愛玲で、ノスタルジックな上海&香港を再現していて、主演がトニー・レオンで、監督は今や華人の誇りアン・リーで、人気歌手ワン・リーホンが役者に本格チャレンジしていて、時代背景の理解も深くて・・・とヒットする要素がもともと満載なわけですが、日本で話題になるのは床シーンだけなのかもしれませんね。

それにしてもトニー・レオンって上手ですね~。Hがでなくて演技が。この人の憂鬱な表情はもう見飽きたと思っていたのですが、要所要所で感情の揺れを目で語り、観客に的確に伝えられる役者さんって稀だと思いました。

Photo

中国つながりということで、池袋にある中国料理屋・大宝(保湿クリームみたい?)で、懐かしの家常菜を食べたよ!という写真を割り込み!

NNAのNさん、東洋経済のSさん(ここまで書いたら名前書けよって感じですが)と、楽しい晩ご飯をいただきました。これもだいぶ前のおはなし・・・sweat02。書くの遅くて。

保定出身の笑顔が素敵なお姐さんがお給仕してくれました。火力が弱いせいか、干遍雲豆がちょっと瑞々しすぎる感じでしたが、ほぼ本場の味で美味しかった。3人でかなり食べましたね~。中国で4皿、とか普通完食しないです。感覚が日本の居酒屋サイズになってました。

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紫煙が目にしみるでしょう

タバコの煙がとっても苦手な私ですが、久しぶりに生活の拠点を日本に移して、呼吸器系がふるふるっと喜びに打ち震えました。禁煙エリアが広がって快適です~。首都圏の法人タクシーも全面禁煙になりましたしね(←庶民としてはあんまり影響ないんですが)。

しかし当然、愛煙家の方々には世知辛い世の中になったわけです。

Photo 遠目でごめんなさい。

オフィスビルからも閉め出され、こんな感じで、コンビニ前やら自販機横やらにきゅっと集り、休憩時間に一服する愛煙家さんの姿をよく見かけます。寒空の下、タバコは憎いけどちょっと心痛む光景でございます。

そんなご時世。職場だろうとどこだろうと、中国の老板ばりに「すぱ~っ」と煙吐いてはるオジサマが主役の素敵な映画をDVDで鑑賞しました。濃ゆい中年スター、ジョージ・クルーニーが監督・出演した『グッドナイト&グッドラック』です。

“赤狩り”の嵐が吹き荒れる米国で、摘発を恐れずマッカーシー批判を展開したジャーナリスト、エド・マローが主人公。このおっちゃんが、ホストを務めるテレビ番組のオンエア直前にいつもタバコに着火するんです。紫煙をくゆらせながら時代を斬るのが彼のスタイルだったのでしょうか・・・。しかし、ダンディズムというか何と言うか、これがかっこええんです。今やったらPTAが怒ってきそう。時代を感じます。

毎回収録の前、エド・マローのタバコに火をつけてあげる番組プロディーサーの役で、ジョージ・クルーニーが出ています。父親がニュースキャスターで、自身も大学でジャーナリズムを専攻。TVシリーズ『ER』の「あんた絶対患者のママ目当てやろ!」と突っ込みたくなるエロっぽい小児科医でプレイクした彼にとって、テレビって特別な場所なんでしょうね、きっと。

ところで、エロ、じゃなかった、エド・マローのタバコ片手にテレビ出演のスタイルは演出かと思ったんですが、ご本人が肺がんで亡くなっているところを見ると、ほんとにかなりのヘビースモーカーだったのかも。

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「○○人的」エッセンス

ちょっと前に日比谷で『その名にちなんで』という映画をみました。ニューヨークに移住したインド人夫婦と、そこで生まれた彼らの子どもたちの話が、息子につけた名前の由来を軸に語られます。

その名前というのは、列車事故に遭った父親の命を偶然救い、アメリカにわたるきっかけをくれる本を書いた作家の名。父の熱い思いが込められているわけです。けれど、NY生まれNY育ちの息子は、その変わり者だと評判だった作家と同じ名前が気に入らない。父から理由を聞いても響かない。ニューヨーカーの恋人ができてからは、インド人社会を出ようとしない両親を、うっとうしくすら思うようになる。しかし、父親が急死。それによって息子はアイデンティティに目覚めたかのように様子を変化させるのですが・・・。と、このようなお話。

2時間半の作品ですが、長く感じます。褒め言葉です。2世代分のエピソードがぎゅっと凝縮されていて、ホンマようできとります。

詳しくないのですが、ことベンガル系のインド人というのは、渡米しても単身で、妻子を国に残していくケースが多いといいます。海外に永住する気はないのでしょうね。映画ではその点異なりますが、それだけ帰属意識が強い人々だと言えるのかもしれません。

劇中、インド人、というよりアメリカで暮らすベンガル人コミュニティについて触れています。アメリカやっちゅうのに、「結婚相手はベンガル人であるべし」という“掟”みたいなものがあるんですね。海外でコミュニティを形成してしまう気持ち、経験者ならよ~く分かるでしょう。「わてら陽気な○○人」ってなもんです。自分のルーツが大切に思えて仕方ない。(映画の子どもたちは米国人として育ち、両親とは違う国の人になっちゃったことから葛藤が生まれたのかもしれません)

海外生活といえば、『スパニッシュ・アパートメント』という映画もそれなりにおすすめ。留学初期のドキドキ感が懐かしい。己の実体験を激しく脚色して浸るもよし、いけてないのに何故かモテモテの主人公に突っ込みをいれるもよし。『アメリ』でブレークする前のオドレイ・トトゥが可愛いです。ところで、この映画にやたら「○○人って△△だよな~」と定義づけしたがるイギリス人青年が登場して猛烈に嫌われていました。ルーツは大事でも育つ環境で人それぞれに・・・。我々もやりがちです。気いつけましょ。

ちなみにパート2(『ロシアン・ドールズ』)あります。

スパニッシュ・アパートメント スパニッシュ・アパートメント

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