2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« (またかい)『海角七号』で膝をぽんっと叩いたこと | トップページ | 運命のリング。なの? »

2010年1月24日 (日)

『芙蓉鎮』にうひぇ~

中国映画といえば近頃は、ジャ・ジャンクーやロウ・イエに代表される「第6世代」と呼ばれる監督が注目されていますが、ぐんとさかのぼって世代で言えば「第3」にカテゴリー分けされる巨匠・謝晋(08年没)の代表作が『芙蓉鎮』(87年公開)。中国をやっている人なら必ず見ている・・・とまでは言い切れなくても、名前ぐらいは聞いたことがある名作です。

中国南方の小さな町で豆腐屋を営む働き者の若夫婦。日々の努力で店は大繁盛し、家を新築できるまでの蓄えもできた。しかし小さな町にも悪名高い「文化大革命」の波が押し寄せ、夫婦は「新富農」であると批判されます。そのへんに働かざる者の妬みや何やらも絡んできて、イヤらしいのなんのって・・・。そして、店も夫も失ってしまう妻は、「札付きの右派」と蔑まれている男と一緒に、反革命分子として、毎日屈辱的な道路掃除をさせられる日々を送って生き抜いていきます。

主人公の女性を演じる劉暁慶は、日本では同作より『西太后』で有名です。ともに道路掃除をする男性役には、いまや中国の名俳優で、『太陽の少年』や『鬼が来た!』の監督としても有名なチャン・ウェン(姜文)です。ハンサムじゃないです。けど、こういう無骨な頼れる男が大陸ではイケてるんです!(←誰に力説?)

『芙蓉鎮』。大学入りたての頃に初めて見たときも「きっついな~」と思いましたが、この週末かなり久しぶりに見直して、映画で描かれるあまりの醜い世界にすっぱいものがこみ上げていました。以前はどこか絵空事のように捉えていた出来事が、リアルな過去だったことが今だとよく分かるからでしょうか。もう、これでもか!っていうくらい人間のイヤらしい部分や、この時代の中国の理不尽な社会構造を見せつけてくれます。

しかし何より、この物語の当事者たる人々が今も普通に暮らしているであろうことに、かの国の深さを感じますよ。映画のラスト近くで、主人公らに弾圧を加えてきた党幹部が言います。「苦労したわね。でも、もう過去のことよ」と。うひぇ~。そうなんですよ、文革が終わってまだ35年ばかり。批判したもの、されたものがすぐ目と鼻の先で生活してたりするんですよ~(怯)。

昨年の東京国際映画祭で『永遠の天』を見た方はお分かりかもしれませんが、最近の中国の都会の若者は日本人以上に現代的、国際的で(さすがにあの映画はやりすぎ。あんなバブリーではない)、しかも70年代、80年代、90年代生まれでそれぞれジェネレーション・ギャップがあるという多層構造化が進んでいます。それだけ社会の変化が激しいんですよ。一方で文革世代も健在。かの国、かの国の人々を理解するのは、島国ニッポン人が容易にできることじゃあありません。

とまぁ、だらだら書きましたが、見れば「なんてこったい」と眉をひそめてしまうこと請け合いの映画ですので(←薦めてます)、機会があれば。ぜひ。

« (またかい)『海角七号』で膝をぽんっと叩いたこと | トップページ | 運命のリング。なの? »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

うひぇ~
にかなり共感します。
わたしが留学した頃は、この手の話がごろごろしていました。
わたしの狭い経験のなかでも、文革の話が、どんだけ苦労したかって話が、ごろごろありました。
タクシーの運ちゃんとかから、「日本がどんだけ悪いことしたかうんたらかんたら」といわれるたびに、文革はどうなんよ、と思った気持ちがよみがえりました。(実際、いっちゃったこともありますが、、、)
これらの映画をみずして、今の映画を、中国を、語れないんじゃないか、とか思います。
もう一回見るってことに抵抗を感じるのも、に嬢が感じたことと同じ思いがあるのかもしれません。って勝手に。

コレとか『青い凧』とか、10年に1回くらいのペースでしか見られないくらいキビシイ作品ですよね~。

近頃は時代の流れで日常生活を切り取ったような映画が多く作られるようになり、この手の作品は見られなくなってきましたが、中国映画を語る上では欠かせませぬ。

あーでたー「青い凧」!!!
たしかに……。

わたし、上海からでるときに、集めてた中国映画もろともおいてきてしまったこと、今、めっちゃ後悔してます。

あの手の映画は外では買えませんね、、、
まぁ持ってても見るのには勇気がいったかもしれません。
あのときは、「上海の長い夜」とか読んでてひしひしとその怖さをかんじたものでした。それからすると、まぁあくまでもわたしの経験の範囲だけど、05年の反日デモとか平和なものに感じました。
って、日本料理屋めっちゃめちゃ破壊されてましたが、、、。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/524658/33109799

この記事へのトラックバック一覧です: 『芙蓉鎮』にうひぇ~:

« (またかい)『海角七号』で膝をぽんっと叩いたこと | トップページ | 運命のリング。なの? »