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2009年4月20日 (月)

『太陽に灼かれて』

~そして髭のおじさんの時代へ~

19世紀ロシアの絵画を堪能したハナシは前に書いたとおり。思いのほか気に入ったので、絵画で表現されていたような陽光たっぷりの空と森と川辺、また人々が集って歌い踊る優雅なお屋敷のお茶の時間などを、とても美しく映像化した露=仏映画『太陽に灼かれて』を観なおしてみた。

スターリンによる大粛清が過激さを増してきた1936年の夏。

ロシア革命の英雄であるコトフ大佐(ニキータ・ミハルコフ監督自ら演じる。上手い!)は、若い妻マルーシャと可愛い娘(監督の実の娘)とともに、都市部の血腥さから遠く離れた田舎の避暑地で過ごしていました。そこへ突如、10年前に姿を消した妻の元恋人ドミトリが姿を現します。

実はこの男、スターリンの粛清を実行する秘密警察NKVD(KGBの前身)の一員。なんとなく、男が現れた目的を察知するコトフ大佐。10年前にマルーシャと引き裂かれてドミトリが姿を消した真相と大佐の関与、女をめぐる2人の男の微妙な心理、パパ大好き&“ドミトリおじさん”にも懐く幼い娘の天真爛漫な可愛さが、終始とっても美しく、穏やかに描かれます。

そんなロシア絵画に命を吹き込んだような映像に、言い現し難い恐怖の予兆を与えてくるのが、タイトルにもある“太陽”、つまりスターリンなんですね(あくまで推測ですが)。終盤、のどかな田園から場違いも甚だしくぬお~っと浮かび上がって来るオレンジの気球と、それに吊り下げられた巨大なスターリンの肖像画。実際にはあり得ない構図。「こいつに灼きつくされるのか」と、観る者の背筋を寒くします。

一説によると、1937~38年の間に約134万5,000人が捕らえられて有罪にされ、その半数が死刑判決を受けたそう(日本人も十数名は粛清されている)。はっきり言って、有罪とされたことに明確な理由はなかったのでしょう。独裁者となった人間の反対派抹殺にかける執念。いやはや、恐ろしい。その時代に生きざるを得なかった人々の過酷な運命は、我々の想像を絶します。

絵画展と合わせて、来るG.W.、Bunkamura→渋谷TSUTAYA(ほかでレンタルしてるか疑問なんで)とロシア三昧するのは如何でしょう?(ただ、デートには不向き)Svwkccvgi

1994年のカンヌ審査員特別グランプリ受賞作。その年のパルム・ドールは、くっだらない話を繋ぎ合わせたら傑作になっちゃった『パルプ・フィクション』(劇中「fuck!」登場回数265回なんだってよ)だったので、カンヌって懐深いっす。

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